第86号:籠の中の鳥は。
このお便りは、25619 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、ご歓談の最中に失礼致します。執事の館・準備委員会の松原でございます。
「名古屋の仮住まい」は本日も晴天、夕方は優しいオレンジで塗りつぶされる今日この頃です。
いまお住まいの街にも、柔らかい夏の匂いは届いておりますでしょうか。
今日もお時間を頂戴して、仮住まいの現況、申し付け品のご報告を致します。
・「名古屋の仮住まい」白の部屋の席数を拡大致します。
・「名古屋の仮住まい」6月6日(金)以降の帰宅予告を承ります。
・「名古屋の仮住まい」追加の給金を頂くお品が出て参りました。
・「愛知県名古屋市の豚チャーシュー」に進展がございました。
・「愛知県尾張旭市の紅茶」試飲パッケージの梱包を完了しました。
内容が多岐にわたりますゆえ、駆け足での報告となりますことをお許しくださいませ。
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お陰様で「名古屋の仮住まい」は2014年5月18日の開館以来、ちょうど2週間が経過致しました。
本日までにご帰宅をくださったお嬢様、旦那様は、延べ200名様を越えて、土曜日、日曜日はもちろん、
平日も全てのお席に帰宅の予告を承っております。この場をお借りして御礼申し上げます。
いっぽう、記帳を頂いた日付の制限によって、帰宅の予告を受けられていないお嬢様、旦那様が、
いまだに多くいらっしゃることもまた事実でして、謹んでお詫びを申し上げる次第です。
かつて、執事の館・準備委員会のホームページには、メールマガジンへのお誘いの項に、
開館直後のリハーサルにお付き合いをください、という一文がございました。
心温かい主の厚意によって、拙い給仕にもかかわらずお褒めの言葉を頂戴したり、
2度目、3度目のご帰宅をお約束頂けることも少なくない、との報告を受けております。
誠にありがとうございます。心からの感謝をお伝えしとうございます。
この2週間の給仕を通じて、現場で気付いた問題点はつど、解消するように試みております。
器具や備品を追加したり、大胆にレイアウトを変更したり、その甲斐あって給仕の品質は、
開館時よりも多少は向上しているのではないか、という判断に至っております。
つきましては6月6日(金)より、「名古屋の仮住まい」白の部屋の席数を増やし、
いままでより多くのお嬢様、旦那様にご帰宅の機会をご提供できるように努める所存です。
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この、席数の追加によって、1日当たりのご帰宅数は従来の1.5倍、合計27席となります。
給仕の回数も1.5倍、紅茶の杯数も1.5倍、お菓子の分量も1.5倍となりますゆえ、しばらくの間は、
またご迷惑をお掛けしてしまうかもしれないことを、予めご了承くださいますようお願い致します。
なお先日、執事の館・準備委員会は、帰宅予告を頂ける主の条件を【2013年3月9日】までに
「主の手帳(メールマガジン)」記帳を頂いた【4,264名】のお嬢様、旦那様に拡大致しました。
これについては2014年6月2日(月)の、午後11時より承る所存であります。
急な変更などについては、執事の館・準備委員会の公式 Twitter アカウントにてご案内致しますので、
お手すきの折にでも、フォローやリストへの追加など、何卒よろしくお願い致します。
https://twitter.com/butlers_house/
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さて「名古屋の仮住まい」は、執事の館・準備委員会の発足当時から予定していた通りに、
ワゴンによるお菓子、料理のサービスを実現しております。現時点の品揃えは飲み物で12種類以上、
食べ物で8種類以上。給仕係の技量が向上すれば、いずれ先述の倍以上に増える見込みでございます。
すでに開館時点では存在していなかった品目として、キッシュやサンドイッチなどの軽食類が増え、
紅茶には空輸で運ばれた「ニルギリ」や「ダージリン・ファーストフラッシュ」が入りました。
とくに「ダージリン・ファーストフラッシュ」いわゆる新茶は、ぜひお試しを頂きとうございます。
鮮やかで澄んだ色味、質の良い緑茶のような爽やかな風味。経験が無ければさぞ驚かれることでしょう。
ほか当館の「グレープフルーツ・ジュース」は2つの選択肢がございます。
ひとつは濃縮還元ではないストレート果汁、これも充分に美味しいものでございますが、
タルト用のグレープフルーツを用いて、家事係の東山(ひがしやま)が手で絞るフレッシュジュースも好評であります。
これらは材料そのものが希少であるため、仕入れのコストが高くなったり、ほんの僅かな時間とはいえ、
家事係がその作業に拘束されることから、追加のお給金を頂くことになりましたことを報告致します。
詳細については、お飲物、お食事のサービスを担当する使用人(従業員)にお尋ねくださいませ。
手絞りのフレッシュ・グレープフルーツ・ジュースは本当に美味しいですよ。
(じゅるっ…。)
っと、失礼しました。
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話は変わりまして、「愛知県名古屋市の豚チャーシュー」に進展があったことを報告致します。
すでにレシピは完成をして、お嬢様、旦那様に自信をもってお勧めできる品質に至りましたが、
肝心のパッケージングに課題を残しておりました。風味や食感を損なわないようにしながら、
なるべく長期間ご賞味いただけるよう試行錯誤を重ね、最適な真空パックの方法を見出しました。
https://twitter.com/butlers_house/status/472325818333401088
現在、愛知県小牧市の段ボール箱のメーカーに、「愛知県稲沢市の生姜シロップ」の件と合わせて、
通称「黒箱」の設計を依頼しておりますので、もう暫くのあいだ、お待ち下さいませ。
そういえば、生姜シロップの試作品がそろそろ仕上がるそうです。これも追って報告をしましょう。
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さらに「愛知県尾張旭市の紅茶」の試飲パッケージは、大変長らくお待たせをしております。
愛知県春日井市の作業スペースにて、1,000箱のボックス、6,000本の試験管に茶葉を収めて、
現在、2014年6月2日の集荷を待つ状況にございます。
https://twitter.com/butlers_house/status/472326636755357696
お申し付けをくださった主には、くれぐれも受領後のお取り扱いにお気を付けくださいませ。
パッケージにはガラス製の試験管だけでなく、崩れやすいものが含まれておりますので…。
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繰り返しになりますけれども、本日で「名古屋の仮住まい」の開館から2週間が経過致しました。
わたくし松原をはじめ、執事の館・準備委員会のメンバーにリアルタイムで送られる報告を見ると、
準備期間中よりもお褒めのお言葉を頂いたり、お楽しみの様子を拝見する機会に恵まれているようです。
開館までの数種間、「ほんとうにこれでお仕えが出来るのだろうか」と、使用人(従業員)を含む、
すべての関係者が眠れぬ夜を過ごしていた訳ですから、お褒めを頂いても素直に喜べないとか…。
(もちろん、まだ改善すべき事柄が山積しているのも事実かとは存じます。)
これをわたくし松原なりに考えたところ、思い当たる節がございました。
開館前の評価は著しく悪く、開館後の評価はそう悪くない。この背景は、たった2週間のあいだで、
給仕の技量が向上したのではなく、単純にヒトの心の焦点(フォーカス)が違うところにあった、
という事ではないでしょうか。
つまり、リハーサルの段階で給仕を受ける主は「直せるところ探してあげなければ」というお考えに、
開館を待ちに待った主は「どんな楽しいことがあるだろうか」という心構えにある訳です。
振る舞いや表情からは見分けが付きませんし、場合によっては無自覚かもしれませんね。
私の専門分野ではございませんけれども、鳥籠に例えてみましょう。
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ヒトの心には、かならず小さな鳥籠(とりかご)がございます。
籠の中の鳥は、お嬢様、旦那様に話しかけられるのを待っておりますから、
「甘いものを探してきなさい」と言っておけば、甘くて新鮮な木の実を探してくるわけです。
いっぽう「苦いものを探してきなさい」と言えば、苦くて古い木の実を見つけて参ります。
そもそも、その籠の扉を開けようとしなければ、あるいは、扉の存在に気付かなければ、
鳥は羽ばたくことが出来ませんし、なにも変わりません。とうぜんなにも得られません。
残念ながら、私どもはお嬢様、旦那様の鳥籠に手が届きません。
したがってお嬢様、旦那様ご自身に美味しい食事とお飲物を給仕することに専念致します。
いまよりも良いサービスを、いまよりも良いタイミングで。いまよりも良いご帰宅のために。
そのとき、お嬢様、旦那様の籠の中の鳥は、何を探されるのでしょうか。
ぜひ、その物語をドアマンの常磐(ときわ)や滝川(たきかわ)にお伝えくださいませ。
使用人(従業員)一同、お嬢様、旦那様のご帰宅を心からお待ちしております。
名古屋市中区、ヒルトン名古屋26階のラウンジにて。
このお手紙は、執事の館・準備委員会の広報係、松原がお送りしました。
執事の館・準備委員会のあゆみは「過去のお便り(バックナンバー)」から、ご覧くださいませ。
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