第81号:戸締まりは厳重に。
このお便りは、25366 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様。東海地方の「トヨタカレンダー」ではもう連休に突入しているとのことですが、
今日は如何お過ごしでしょうか。執事の館・準備委員会の松原でございます。
先日、申し付けを賜りました「愛知県尾張旭市の紅茶」実験用の試験管に納めた試飲バージョンは、
予定時刻の9時10分から、およそ2時間半で満了することが出来ました。ありがとうございます。
以前にもお伝えしました通り、合計6,000本もの試験管を発注する例は珍しいようであります。
メーカーが抱える全国の在庫を掻き集めることでなんとか間に合うであろう、という見通しです。
しかし問題はコルク栓であります。私も今回、資材を調達する過程で初めて知りましたが、
試験管に使われるコルクは機械による自動形成ではなく、人の手によって削り出しているものだとか。
商社からは、コルク栓の手配のため「実働2週間ほどの時間を頂けないか…」と言われております。
「連休中も出来る限り取り組む」とのお言葉を信じて、楽しみに待つことにしましょう。
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さて、これまで手紙(メールマガジン)やTwitterで時折、話題にしておりました
「ニュージーランドの炭酸水」に動きがございました。
お嬢様、旦那様もご存知の通り、執事の館・準備委員会がお届けする「申し付けの品」は、
東海地方の農園や企業に「作ろうと思えば作れる最良の品」を依頼することで成り立っております。
ものによってはコストが嵩み、市場ではとうてい受け入れられない設定でも、
ほんとうに良いものをお作りするという方針で取り組んで参りました。
この流れにおいては「ニュージーランドの炭酸水」はやや趣の異なる動機で、
いま建設中の「名古屋の仮住まい」でお召し頂く素材の試飲という性質が強いものでした。
この度、執事の館・準備委員会は、「ニュージーランドの炭酸水」の構成を見直し、
新たに「愛知県稲沢市の生姜シロップ」の一要素として組み込むことに致しました。
最近はほとんど見掛けない金時生姜(きんときしょうが)、これは名前のとおり茎が赤くなって、
一般的な生姜に感じられる雑味や刺激がほとんどなく、生で齧っても美味しいものでございます。
これを摩り下ろして煮詰めたエキスに、お砂糖と香辛料を混ぜることで完成するシロップ。
軟水のスパークリング・ウォーターで割ると、新しい喉ごしのジンジャーエールをお楽しみ頂けます。
昨晩、試飲をさせて頂きましたが、生姜や炭酸水の刺激をほとんど覚えることなく、
さらっと、ストンと喉を落ちていく感覚に、狐につままれたような気が致しました。
これは面白い味わいでございます。
シロップの職人と詳しい仕様を打ち合わせましたので、近いうちに試作品を頂けるものと存じます。
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さて「名古屋の仮住まい」は、今日も塗装の職人が入り、大規模な吹き付け塗装の最中にございます。
この一週間ほどで大きな装飾が前庭に備わり、開館の現実味がよりいっそう増して参りました。
資材の納品が遅れていた玄関のドア、クロークの開き扉なども順次、装着されております。
第1期工事にあたって執事の館・準備委員会が手配したシャンデリアは2機。
いま神奈川県内の工房で組み立ての最中にあり、名古屋に届くのは5月9日の見込みです。
シャンデリアの手配と並行して防炎加工を施したカーテン類も、5月8日には納品されるとのこと。
さらにお嬢様、旦那様にお選び頂くお菓子のワゴンのため、岐阜県土岐市、多治見市の窯元で
作られた美濃焼を仕入れて参りました。食卓に採用したノリタケ社の食器、カトラリーの世界を
崩さないよう、和食器の出番はワゴンの上に限り、異なる世界観を両立させる考えにございます。
緑色の鮮やかな織部焼に、狐色のスコーンが映えると思いませんか?
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ある程度、内装の仕上がりができたことを受けて、「名古屋の仮住まい」に勤める給仕係や介添係は、
できるだけ現地に足を運び、職人が行き来する廊下の真横でトレーニングに取り組んでおります。
実際にお嬢様、旦那様がお掛けになるチェア、テーブル、食器やカトラリーを用いることで、
今まで想像の世界でしかなかったお給仕が、より具体的になって参りました。
ここ数日は、お嬢様、旦那様との会話を想定したトレーニングにも力を入れております。
給仕の合間に交わす言葉についても、心配り、気配りを欠かさないようにしておりますが、
もし万が一、失礼があった場合は、やんわりとお叱りを頂けますと幸いに存じます…。
先日、従業員の現況について報告したのちに、目覚ましい変化を遂げた者もおりました。
いっぽうで、なかなか自分の殻を破れなかったり、つい言い訳が先に立つ者もおります。
お嬢様、旦那様にとっては、一回のご帰宅が全てでありますから、粗相があってはなりません。
引き続き、精進致します。
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ところで「主の手帳」をはじめ、執事の館・準備委員会のホームページは、5月1日(木曜日)の
午前10時から正午過ぎまでメンテナンスに取掛かります。この間、ホームページの閲覧はもちろん、
「主の手帳」を開くことができなくなりますので、何卒ご了承ください。
事後の報告となってしまい申し訳ありませんが、過去にお届けしたお手紙の一覧に手を加えました。
これまで過去の手紙は「主の手帳」を開いた状態でないと閲覧できない仕組みとなっておりましたが、
最初の5〜600文字はどなたでもお読み頂けるように変更致しました。
手帳をお持ちでない主にも、1枚目の便箋をご覧頂ければ、理解が深まるのではないかと思いまして。
http://www.butlers-house.net/blog/entries
このほか、「申し付けの品」の一覧に、おおまかな残数をリアルタイムで表示する機能や、
メールアドレスの書き換えを申し付けられた際、新しいアドレスに確認の便りをお届けする機能など、
さらに使い勝手のよいものにするべく、手帳係が奔走しております。もちろん帰宅予告の機能も…。
次から次へと新たな機能が追加されますけれども、気長にお付き合い頂ければ幸いに存じます。
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最後に、前回のお手紙でお伝えし忘れていたことがございましたので、補足させて頂きます。
「名古屋の仮住まい」の開館を予定している【2014年5月18日】という日付。
そして名古屋市中区、最寄りが【地下鉄丸の内駅】であるという所在地。
これらはなるべく、ブログや掲示板、Twitterなどに記載されませんようお願い申し上げます。
「主の手帳」を持たれるお嬢様、旦那様と私どもだけの秘密…大切にして参りましょう。
さて、そろそろ日が暮れる頃かと存じます。空気は冷えておりませんか。
防犯の為にも、室内温度のためにも、戸締まりを確かめてカーテンを閉めておきましょうね。
今日はすこし早い時間帯ですが、これにて失礼させて頂きます。
ええと、その…厨房で行なわれているお菓子の試作が気になるものですから…。
名古屋マリオットアソシアホテル 1階「デセナーレ」より
このお手紙は、執事の館・準備委員会の広報係、松原がお送りしました。
準備委員会のあゆみは「過去のお便り(バックナンバー)」から、ご覧くださいませ。
http://www.butlers-house.net/blog/entries
メールアドレスやお名前の書き換え、退会手続きなどは、下記URLから承ります。
https://www.butlers-house.net/member_login
執事の館へのご要望、お問い合わせは info@butlers-house.net までお寄せ下さい。