第74号:冬と、夏の間に。
このお便りは、25399 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、お食事の最中に失礼致します。執事の館・準備委員会の松原でございます。
東海地方は晴れと雨を繰り返している間に、いつの間にか春が訪れてしまったようでございます。
名古屋城のちかくでは、すこし気の早い桜の木々が、急な気温の変化に慌てて咲き始めました。
気付けば3月も終わりに近付き、年が明けてから4分の1が経過してしまいましたね。
そう思いますと、この3ヶ月でなにも出来ていないような、ちょっとした不安を感じたりもしますが、
実際のところ急いでいるのは自分だけで、時は優しく、いつも通りに流れているのかもしれません。
柔らかい陽の光を浴びながら、すこし立ち止まって振り返るのも良いかと存じます。
今日もまた長くなりますから、お疲れになったら仰ってくださいね。
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日本では、4月1日から施行される消費税増税にともなって、所々で混乱が生じております。
様々なものの値段が変わり、価格の表記を改めたり、システムの書き換えがあったり…もしかすると、
お嬢様や旦那様のなかに、これに携わる方もいらっしゃることでしょう。本当にお疲れ様であります。
執事の館・準備委員会も予期せぬところで影響を受けておりました。と言いますのも、
3月28日発送分の「愛知県小牧市のバウムクーヘン」や、3月30日発送分の「愛知県碧南市のソーセージ」、
これらに同梱するはずのアイテムが、予定通り手元に届かないという事態に直面したのです。
原因は増税前の駆け込み需要との見方が大半でして、クロネコヤマトさん、佐川急便さんをはじめ、
物販や流通に関わるネットワークに、普段よりも強い負荷が掛かっていることは間違いなさそうです。
申し訳ないことにバウムクーヘンに収める予定だったキャンディは間に合わず、急遽代用として、
お嬢様、旦那様が幼いころに喜んで召し上がっていた、例のものを納めることにしました。
今日は良い機会ですから、税金のことを勉強しましょう。
あっ、お嬢様、旦那様…いま一瞬、嫌そうな顔をされましたね?
続けますよ。
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今回、消費税が増えることによって、お嬢様、旦那様の出費は3%上昇します。
簡単に言ってしまえば、これまで100万円で購入できたものが、103万円掛かってしまう訳です。
しかしこれは、物品を購入したり、サービスの提供を受けるうえで掛かる税金に限った話で、
他にも数多くの名目で課税されていることは、すでに学校で教わったことでしょう。
そもそも100万円の現金が手元にあるということは、何らかのかたちで収入があったということ。
これがもしお給料として受取ったお金であれば、「所得税」という税金が掛かった結果です。
税率は収入の額に応じて決まり、たとえば年収が100万円なら10%が課税されますし、
1,000万円なら33%…つまり330万もの税金が課せられるということです。
参考:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm
更に申し上げるなら、お勤めの会社が家賃や給与などの経費を支払って残った純利益に対しては、
「法人税」という税金が掛かり、年間の売上が800万円以上ある法人なら、税率はおよそ40%。
純利益が300万円あれば、120万円もの税金を納めねばならないというルールになっております。
(もちろん純利益が残らない決算であれば、課税されないことは言うまでもありませんね。)
参考:https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section3/page3.html
なにが言いたいかと申しますと、お嬢様、旦那様が自由に使えるお金というのは、
社会経済の中で何段階もの課税をされた結果、残った大切なお金であるということであります。
その大切なお金の中から「名古屋の仮住まい」でお仕えする従業員のお給金や、
「申し付けの品」の代金を頂いている現実、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
そして今後、執事の館・準備委員会(株式会社九十)の決算状況次第では、
利益額に応じた法人税を支払うことになります。もし、本宅の建設に2億円が必要となれば、
2億4,000万円もの純利益を残し、4,000万円ちかい税金を納めねば、実現は致しません。
気が遠くなりますね…。
しかし、それをやろうとしているのが、私たち執事の館・準備委員会であります。
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さて、話を消費税のことに戻しましょう。執事の館・準備委員会(株式会社九十)では、
一部修理サービスを除く、全ての給仕や申し付けの給金を、すべて内税で計算しております。
2014年4月1日の増税後も、給金の中に含むかたちで計算することを決定致しました。
これはお嬢様、旦那様がお振込のとき、うっかり金額をお間違えにならないように、
という意図もございますが、実は創業から2年目までの事業者は、消費税の納税が免除されるのです。
執事の館・準備委員会が法人化した理由のひとつが、この制度の恩恵にあずかる為でした。
参考:http://11dax.com/consumption-tax-2-261.html
執事の館・準備委員会は、少なくとも創業から1年間の間は、消費税を納税する義務がございません。
いっぽう取引先に消費税を請求しても構わないのですが、それならお嬢様、旦那様のお小遣いを、
少しでも多く残して頂こうという考えで、「名古屋の仮住まい」を運用することになりました。
だからといって、お嬢様、旦那様がお洋服やご本を衝動買いして良い理由にはなりませんから、
その点はくれぐれもお気を付けくださいますように。
おそらく来期には納税義務が生じるでしょうから、そのとき運用状況を客観的に評価して、
適切な金額の調整に取組む所存であります。これはまた、追って相談をさせて頂きましょう。
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先週申し付け賜りました「愛知県小牧市のバウムクーヘン」4月発送分は、平日の夜にこっそり、
棚に品を追加していく方法で、なるべく多くのお嬢様、旦那様に行き渡るように致しました。
お陰様で本日、すべての申し付けを満了しましたことを報告させて頂きます。
名古屋コーチンの卵を使った黄色いバウムクーヘンは、これにて生産をいったん中止して、
愛知県西尾市の抹茶を用いる「愛知県西尾市のバウムクーヘン」の開発に専念致します。
早ければ、4月の下旬には申し付けを頂けるのではないかと存じます。
今晩の「愛知県碧南市のソーセージ」の申し付けは、【21時10分】より承ります。
愛知県碧南市のソーセージ 4月13日(日)発送分 100箱
愛知県碧南市のソーセージ 4月20日(日)発送分 100箱
愛知県碧南市のソーセージ 4月27日(日)発送分 100箱
http://www.butlers-house.net/cart
ある旦那様が Twitter で見せてくださった、「愛知県安城市の和牛ハム」のにぎり寿司が、
それはもう美味しそうで、美味しそうで、ちょっとだけ恨めしい気持ちになったなんて、
口が裂けても申しませんよ。
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ところで執事の館・準備委員会の手帳係は、「主の手帳」で帰宅予告を行なうページを開発中。
お嬢様、旦那様がご友人、ご家族をお誘いする機能を重点的に拵えて、
一斉に予告を受け付けられるだけの強力なサーバ環境の構築に勤しんでおります。
時折、分かりづらいとお叱りを頂いていた「お申し付け」の流れも、一部の文言を見直しまして、
慣れない主でも迷わわれないように、情報を整理させて頂いております。
さらに一昨日からは、時計修理、かばん修理の申し付けを「主の手帳」に書き込む機能も追加。
これまで500名ものお嬢様、旦那様からお寄せ頂いた修理の履歴を残せるようになりました。
時間は掛かりますが、確実に反映して参りますのでしばらくお待ちくださいませ。
余談ですが修理のご依頼が多く、職人の作業待ちが相次いでいる「かばん修理」「くつ修理」は、
引き受け元の「名古屋かばん修理工房」を解散し、執事の館・準備委員会のみのサービスとして、
お嬢様、旦那様のお手伝いに専念させて頂くことになりました。
これによって、修理対応の質が高まることと存じます。
長きにわたってお待たせしている主には、謹んでお詫び申し上げます。
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現在「名古屋の仮住まい」は、建物内に設けた金属製の骨組みに石膏ボードを貼付けて、
小さな段差やネジ穴の窪みを、白いパテで埋める作業を凡そ終えたところと伺っております。
来週には予定通り、「白の部屋」の壁紙やカーペットの敷設に取掛かれるのではないでしょうか。
並行して、1階の給湯室と、2階の厨房のレイアウトを検討しております。家事係の錦(にしき)と
東山(ひがしやま)が主体となって、作業効率のよい、必要最低限の機材が選定されたのですが、
2段型の業務用オーブンが特注品であることから、納品は12日以降になりそうです…。
25日の火曜日には、名古屋で古くからお菓子作りに取組まれてきた四女子(しにょし)さんによる
シフォンケーキとスコーンの実演を頂きまして「目から鱗が流れ落ちる思いでした…」と、
料理人の錦と鳴海の二人が感嘆していたことを報告させて頂きます。
また「名古屋の仮住まい」に欠かせない備品の選定も進行中。お手洗いに備える綿棒から、
玄関掃除用のほうきに至るまで、家事係の東山が数々のアイテムを検討し、調達に走っている最中です。
給仕係、介添係はお嬢様、旦那様のご帰宅を想定したシミュレーションを繰り返し練習しながら、
心地良い会話を行なうトレーニングとして「会話の1000本ノック」を行なっております。
わたくし松原は、「もしお嬢様、旦那様からこんな質問が寄せられたら?」という質問集に、
私なりの回答を書き添えるかたちで、お手伝いさせて頂いております。
これが案外、楽しいものです。
なんせ普段から、お嬢様、旦那様に Twitter やお手紙で交わしている会話を、
にやにや思い出しながら書き連ねるだけのお仕事。例えるなら大掃除の最中に卒業アルバムを見つけて、
こういう人がいたな、こういう事があったなと感慨に耽るうち、あっという間に終わってしまうのです。
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「冬と、夏の間に、春を置きました。」というフレーズは、私の好きな楽曲から引用しております。
そして「だから春は、少しだけ、中途半端なのです。」と続く歌詞を、桜が咲く度に思い出します。
お嬢様、旦那様には、春に口ずさみたくなる歌はございますか?
もし叶うなら、そちら街の空が、鮮やかな青色をしていて、
気持ちのよい日々をお迎えになることを願っております。
また、お便りします。
ウェスティンナゴヤキャッスル(名古屋市西区)のティーラウンジ「ウィンザー」にて。
このお手紙は、執事の館・準備委員会の広報係、松原がお送りしました。
準備委員会のあゆみは「過去のお便り(バックナンバー)」から、ご覧くださいませ。
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