第69号:芯まで甘くて、美味しいと。
このお便りは、25412 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、こちらは週末から温かくなって、春の匂いがします。
そちらの空は如何でしょうか。急な気温の変化に、体調など崩されていませんか。
執事の館・準備委員会の松原でございます。きょうは小雨のなか、愛知県田原市に行って参りました。
昨年の春に申し付けを承りました「愛知県田原市のバラ」の提案において、同じ田原市の名産の
キャベツを話題にしたことを、お覚えでいらっしゃいますでしょうか。
当時すでに冬キャベツの旬は過ぎておりましたので、バラのお届けに専念しましたが、
そのとき相談に乗ってくださった生産者の皆さんが、ぜひお嬢様、旦那様にご賞味頂きたいと、
改めて打診をくださり、給仕係の徳川(とくがわ)とともに、現地に赴いた次第であります。
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今回、初めてお目にかかるのは、愛知県田原市で長年キャベツの生育に携わられる生産者さん。
お嬢様、旦那様もご存知の通り、その年の気候や生育条件によって価格変動のあるキャベツ、
生産者さんの言葉をお借りすれば「まぁギャンブルみたいなもんだわね。(笑)」とのことです。
日々刻々と変動する価格を見ながら、売値の良いころを見計らって前日に収穫し、
一度に出荷することでなんとか、ぎりぎり事業を成立させているとの話でありました。
先ほどのレポートの中でも葉っぱを一枚齧らせて頂きましたが、まるで林檎や苺など果物のような
自然な甘みが口の中に広がり、何枚でも飽きずに食せるくらい美味しいキャベツに感激しました。
しかし、これが一体、どこに流通していて、どうすれば入手できるのかを伺ったところ、
ただ一言、「わからん。」と仰って首を傾げられるのです…。
他の生産者のキャベツと味が違うことを指摘しても、「いや、ほかのを食べんから…」と。
愛知県田原市や豊田市は、全国でも有数の野菜の産地として知られております。
しかし殆どの収穫物は、地元のJA(かつての農協)に出荷され、複数の生産者の野菜が、
同じ段ボールに収めて全国各地に出荷されるため、どこで売られているかは分からないのだとか。
いやはや、まったく、誤解を恐れずに申し上げますけれども、
「ただ美味しいキャベツを育てること」にしか興味がない様子でありました。
その無邪気さがむしろ、野菜にも伝わり、のびのびと育つのかもしれませんね。
そういう職人さんを、そういう職人さんに育てられた野菜を、大切にしたいですね。
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この時季、近くのスーパーマーケットに足を運べば、一玉あたり2〜300円でキャベツが手に入ります。
それをわざわざ申し付けの品にしても良いかという葛藤もございましたが、実際に足を運んでみると、
やはりお嬢様、旦那様に、本当に美味しいキャベツを知って頂きたい、と思い直しました。
いつものように、愛知県小牧市の段ボールメーカーさんに依頼して、キャベツの輸送用の箱を試作。
https://twitter.com/butlers_house/status/436779762866872320
キャベツの大きさに比例して、かなり大きめのサイズに仕上がっております。
このほか輸送や梱包などのコストを計上して、1玉あたり1600円ほどの予算で、
いまお住まいの地域にお届けしたいと考えております。
決して安くはありませんが、味には絶対の自信がございます。
(もしご納得頂けなければ、お給金はお返しする所存です。)
2週連続で日本列島を襲った寒波のとき、野菜の値上がりを懸念して様子を見ておりましたが、
冒頭にもお伝えしました通り、気温の上昇でキャベツの生育が進んでしまう恐れがございます。
そのためご案内から申し付け、発送までの期間が極めて短くなりますが御容赦ください。
申し付けは明日【3月3日午後9時10分】より、限定500箱を承ります。
気候変動によるものとはいえ、急なご案内となりますことを謹んでお詫び致します。
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さて、執事の館・準備委員会では内定が決まった従業員による開館準備が着々と進行しております。
このたび厨房担当の錦(にしき)が加わったことから、お菓子や料理の試作が一気に加速。
名古屋市某所のテストキッチンにて、次々と焼菓子が生み出されております。
https://twitter.com/butlers_house/status/438594386171949057
目下の課題は、盛りつけと飾り付け…。本人も自覚し、休日返上で研究に取組んでいるようです。
また来週3月9日(日)、「名古屋ウィメンズマラソン」が開催される当日となりますが、
主要メンバーが一同に会する試食会で、お嬢様、旦那様にお召し上がり頂くお菓子の、
いわゆるレギュラーメニューが確定するものと、調達係の守山(もりやま)より報告がございました。
もちろん広報係、わたくし松原も参加させて頂きます。異論は(略
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また、あす3月3日よりお嬢様、旦那様に仕える全ての従業員を対象に、
約2ヶ月に及ぶ研修が始まります。まず最初は、準備委員会の代表と、わたくし松原による、
「執事の館・準備委員会の成り立ち」と「私たちが目指すもの」の共有を狙っております。
紅茶の注ぎ方や、お皿のサーブ、正しい言葉遣いも大切な要素ではありますけれど、
「私たちは誰の為に、何をするのか。」という本質的な理念の浸透があって初めて、
他の学びに意味を見出せるのではないかという考えが、ここにございます。
これに続いて、基本的な言葉遣いの習得や、給仕フローの再確認、防災や避難についての研修や、
お身体にハンディキャップをお持ちの主とのコミュニケーションなど、幅広い分野にわたって、
研鑽を重ねる所存であります。このほか、従業員の採寸のち、タキシードの作成に着手。
履歴書に添付する写真のスタジオ撮影も予定されているとのことです。
現在、従業員のとりまとめを行なっている徳川によると、
誰もが未経験の取組みを目の前に、非常に緊張している様子が伝わるとの話です。
お嬢様、旦那様が帰宅されるまでには、すこしでも堂々とした振る舞いが身に付く様、
精一杯の努力をして参りますので、温かくお見守りくださいますよう、お願い申し上げます。
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なお先日、わたくし松原が深夜にこっそりお邪魔した「名古屋の仮住まい」の進捗は、
軽量鉄骨による天井や壁の骨組みが、ほぼ出来たところではないかと見ております。
事前に建築係の橘(たちばな)が申した通り、天井→壁→床の順に構築されておりましたね。
これに並行して、意匠係の高岳(たかおか)がセレクトした壁紙、床材などの選定を進めて、
ご自宅として、寛いでお過ごし頂ける空間作りの最終段階に取掛かっているそうです。
小耳に挟んだ話ですが、クリスタルガラスを組込んだシャンデリアを特注で制作するとか…。
橘のツイートでは、たびたび「名古屋の仮住まい」の図面が出ておりますので、
ご興味あればぜひご覧くださいませ。
https://twitter.com/butlers_house_a/status/438247739722186752
確か、この画像の左上にある絵は…
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さて、今日も遅い時間になりましたので、これくらいにして…明日の申し付けに備えましょう。
しかし手帳を確認しますと、明日は名古屋市東区にて、午後7時から執事の館・準備委員会の
親睦会が予定されておりますね…烏森(かすもり)さん、私は欠席でお願いします…。
大きなキャベツが6つ転がる、執務室より。
このメールは、執事の館・準備委員会よりお送り致しました。
準備委員会のあゆみは「過去のお便り(バックナンバー)」から、ご覧くださいませ。
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