第61号:電気、ガス、水道と、厨房と。
このお便りは、25525 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、全国的に冷え込んだこの週末、お加減はいかがでしょうか。
執事の館・準備委員会の建築係、橘(たちばな)でございます。
本日も仮住まいの設えについてお話をさせていただきます。
長文になりますので、お時間のあるときにでもお目通しくださいませ。
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昨日松原からも報告さし上げましたとおり
先日水曜日に建物の所有者さまと打合せをしてまいりました。
「名古屋の仮住まい」は既存の建物の一部をお借りして設えます。
そのため、お借りする範囲を明確にして、そのなかで設えなければなりません。
このとき、詳しい協議が必要な事柄のひとつに
電気・ガス・水道といったライフラインをどうするかという問題がございます。
これまで使用していた容量で足りるのか、足りない場合はどこまでをどうやって工事するのか
その費用は誰が負担するのか、きちんと決めたうえで工事に着手致します。
また、多くの方にご帰宅いただいてお寛ぎいただくためには
空調換気設備も、これまでより一段と緻密な内容で整備致します。
そのためには建物の外壁にいくつか孔を開けることにもなるでしょう。
こうしたことも含めて、様々な内容について詳しい協議を行ってまいりました。
幸いにも話し合いは建設的に進み、既に項目ごとに準備に取りかかっております。
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2フロアで構成される「名古屋の仮住まい」には、それぞれの階に厨房設備が設えられます。
第1期工事の中に「給茶室」が含まれることは前回のお手紙でお伝えいたしましたね。
これとは別に、第2期工事ではフルコースの料理を調理できる本格的な厨房が設えられる予定です。
食材の保管、下ごしらえ、加熱、盛りつけといった一連の流れが
効率よくかつ丁寧に作業できるよう、厨房設備の専門家を交えて詳しく協議を進めております。
厨房、生菓子、焼菓子、給茶とそれぞれに最高の設備を整えると…来週の会議も長くなりそうです。
ところで、シェフやパティシエについては直接人材を探すほかにも
希望者からの求人応募も待っている状態とのこと。腕の良い職人が見つかるとよいですね。
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使用人の控室についても、当然準備を進めております。
最高の給仕のため、最高とは言えないまでも、少なくとも不快ではない程度の環境を整えましょう。
最終的には40人近い使用人と、数名の工房スタッフ、さらに場合によっては事務職数名が、
主からは見えないエリアでそれなりに快適に業務に取組むように致します。
またばぁやがおりますので、男女別の控室も必要ですね。
このあたり、実は一番の難題かもしれないと気を引き締めて検討にあたっております。
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さて、本日も最後に私の文庫の中からいくつか
お嬢様、旦那様に読んでいただきたいものをご紹介させていただきます。
その9
『レキシントンの幽霊』文庫本 213ページ 村上 春樹(著)[文藝春秋]
読書初心者向けです。人間の孤独に迫る幻想物語七編からなる短編集。
村上春樹さんはご自身のことを長編作家であると仰っておられるようですが、
私としてはは短編小説こそが彼の良さをあらわしていると考えています。
実は私は彼の長編小説が苦手で何度も途中でやめてしまったりするのですが、
短編は楽しく読めるのです。単純に私の相性の問題なのかもしれません…。
村上春樹作品はちょっと苦手、という方にもおすすめです。
その10
『青が散る〈上〉』文庫本 318ページ 宮本 輝(著)[文藝春秋]
『青が散る〈下〉』文庫本 322ページ 宮本 輝(著)[文藝春秋]
大学のテニス部を舞台にした青春群像。切なくてちょっとくだらない、でもなぜか心に残る物語です。
やや、だらだらと間延びした展開がかえって学生生活の安穏とした雰囲気を感じさせてくれます。
学生時代を過ぎた方の方が楽しめるでしょう。中途半端に時代が旧いので、
大学生以下の方が読むとうまく感情移入できないかもしれません。
その11
『「地球温暖化」神話 終わりの始まり』単行本 237ページ 渡辺 正(著)[丸善出版]
2年近く前に出版された本ですが、衝撃的な内容です。人為的CO2の増加により
地球温暖化が引き起こされている、という説がねつ造であるとして糾弾しています。
(ただ、この本の中でねつ造の根拠とされている事柄は、その後さまざまな場面で
ねつ造の根拠にはなり得ないとして否定されているようです)またそのこととは別に、
温暖化は人間にとってはむしろ歓迎すべきことだという論も説かれています。
真偽はともかく、物事は多角的に捉えて考えてみる必要がありそうだ、ということを教えてくれます。
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いよいよ寒さが本格的になってまいりましたね。
病気やケガが心配になる一方、とくに冷え込んだ日曜日の朝などは
キンと澄み切った真冬の清涼な空気が、顔や指先に心地よく感じたりもします。
お嬢様、旦那様も、どうぞこれからの真冬の日々を存分に楽しまれますよう。
建築係・橘
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