第477号:その裏側。
このお便りは、37993 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様が、ふだん誰かの幸せのために尽力をなさいますこと、まことに素晴らしく尊敬を致します。
この世界の主役はあくまでお嬢様、旦那様でいらっしゃいますけれども、ご自身の優しさを振りまくことで、
ほかの誰かを豊かにし続けるストーリーは、いつか必ずや花開くものと確信する今日この頃でございます。
時には苦しいこともあろうかと存じます。悔し涙を流されることもございましょう。それでも、諦めずに
取り組まれたり、新たな選択をなさったり、日々、繰り返していくことが人生のあり方かもしれませんね。
お外では笑顔を見せていらっしゃっても、本当はしんどい。どうか抱え込みすぎることのありませんよう。
私たち執事の館・準備委員会は、その笑顔の裏側をなんとかして差し上げたいと考える立場にございます。
ご存知のように、お仕えの方法は幾つかの手法がございまして、いまお目を通していただきますお手紙や、
もはや広報係なのか試食係なのか区別のつかない Twitter 、それから #お申し付けの品 も欠かせません。
中でも #名古屋の仮住まい は、私たち執事の館・準備委員会にとって極めて重要な位置付けであります。
使用人の皆でお嬢様、旦那様をお迎えして、ティータイムはワゴンサービス。お好きなものをお好きなだけ、
お召し上がりいただくという理念を実現してございます。常に進化、成長を遂げる場所とお考えください。
連休中、わたくし松原は家事係の手伝いと、広報係の執務を兼ね…いま呆れた顔をなさいませんでしたか?
話を戻しますが #名古屋の仮住まい で給仕の一部を担わせていただき、まことに勉強になっております。
どのようなお品がお嬢様、旦那様に喜ばれるのか、使用人がそれぞれ、どのようにして貢献をしているのか。
そこでふと、ふだんご帰宅をなさいます主(あるじ)の目線と、お仕えをいたします使用人の目線とでは、
絶対的に見える景色が異なるであろうことに気付いた次第です。ご帰宅をくださる主からは見えない所で、
使用人たちは何をしてお役に立とうとしているのか。今日は、これを掘り下げてお伝えしたいと存じます。
申し遅れました。わたくし執事の館・準備委員会の広報係、松原(まつばら)でございます。今夜は特別、
#名古屋の仮住まい の裏側について、できるかぎり詳細にレポートをする所存、よろしくお願い致します。
今後のご帰宅に際しまして、どのような使用人が、どこで何をしているのかご想像いただく一助となれば。
▼ #名古屋の仮住まい の朝は8時半、パティシエールの菅原(すがわら)が生地を出し、焼き始めます。
▼ #名古屋の仮住まい お仕え前の準備は手分けして。ワゴン、おしぼりの他、ご要望を精査いたします。
▼ #名古屋の仮住まい お迎えをしてからが本領発揮。お飲物、お料理のご用意と並行して洗い物も実施。
▼ #名古屋の仮住まい その日、最後の主をお見送りする頃には、ほぼ翌日のご準備を整えてございます。
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▼ #名古屋の仮住まい の朝は8時半、パティシエールの菅原(すがわら)が生地を出し、焼き始めます。
私たち使用人のなかで、もっとも早く #名古屋の仮住まい に出勤いたしますのはパティシエールの菅原。
玄関前に置いたレクサスの横を通ってシャッターを上げて、誰もいない廊下を通ってキッチンに入ります。
照明をつけると同時にオーブンに火を入れて予熱。前日までに仕込んで置いた生地を冷蔵庫から出します。
柔らかくしたスコーンの生地は延べ棒で平たくして、幾重もの層を作ってから専用の金型でスポンスポン。
天板に粉をふって並べたあとは、オーブンの状態をみて焼成に入る次第です。これはクッキーの類も同様。
そのあとエスカベッシュの仕込みや、日によってはカレーなど手がけて、開館時刻までに間に合わせます。
遅れてパティシエールの東桜(ひがしさくら)が合流。彼女は自前の厨房で殆どを仕上げてまいります故、
#名古屋の仮住まい では仕上げの作業が中心となります。ケーキ、ムースなど完成したら1階の冷蔵庫に。
菅原が朝の作業をほぼ終えた段階でシェフの池下(いけした)が出勤。キッシュや月限りの品を拵えます。
決して狭くはない #名古屋の仮住まい 2階の厨房でございますが、3人の料理人がタイミングを見計い、
順にお嬢様、旦那様のためのお品を整える流れが、定着をしてございます。概ね午前中いっぱいはこうして、
出来上がったものから1階の配膳室に下ろしてまいります。午後からは翌日のための仕込みをいたします。
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▼ #名古屋の仮住まい お仕え前の準備は手分けして。ワゴン、おしぼりの他、ご要望を精査いたします。
菅原たちがお品のご用意を整え始めると、家事係、介添係、給仕係それぞれが、定められた時間どおりに
出勤をいたします。ある者はデザートワゴンにお品を並べて、館の台帳に登録をしたり、場合によっては
新たに撮影をして登録することもございますし、このとき食材のアレルギー項目も必ず確かめております。
またご帰宅の直後、お出かけの直前にお使いいただく「おしぼり」を巻くのは給仕係。しっとり湿らせて、
冬場はウォーマー、夏場はクーラーに収めるところまでしたら、当日のご帰宅予告に目を通しはじめます。
ご帰宅前後の予定、お仕えへのご要望、苦手な食材などを控えて、特別なお祝いについても印をつけます。
介添係は主に館内のクリーニングと、テーブルクロスのアイロン掛けをして「白の部屋」を整える役割に。
清掃係の清住(きよずみ)が一晩かけて掃除をした成果を確かめますのも、介添係の大切なお仕事ですね。
また給仕係と手分けをして、お手洗いなどの掃除をいたします。シャンデリアなどのチェックも入念に…。
ほとんどの準備は前日までに終えてございますけれども、お嬢様、旦那様をお迎えする体制を整えるまでに、
おおよそ1時間ほどで完了をいたします。時間に余裕があれば、残りの少ないお飲物やキャラメルなどの
お品の補充も行ないますが、これらも後述する普段のお仕えと並行してすることのほうが多くございます。
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▼ #名古屋の仮住まい お迎えをしてからが本領発揮。お飲物、お料理のご用意と並行して洗い物も実施。
午前10時を回りますと、その日ご予告をくださった主(あるじ)が玄関に到着なさいます。ここから先は、
お嬢様、旦那様もご存知のとおり、家事係がドアマンとしてお迎えして、お約束の時間になったら扉を開き、
給仕係、介添係がご挨拶を差し上げる流れ。この裏側では、お飲物、お料理のスタンバイをしております。
まず給仕係が、お飲物のご要望を賜りますと、給湯室の不思議な黒い箱から「ピロリ〜♪」と鳴りまして、
ご用命くださったものの名前が判明いたします。家事係はこれに応じましてケトルに水を入れはじめたり、
冷蔵庫に保管していたシロップなどを取り出し、大急ぎでドリンクを整えてデシャップに提供いたします。
さらに給仕係が、お料理のご要望を賜りますと、配膳室の不思議な黒い箱から「ピ〜ロ〜♪」とひびいて、
何行にもわたるご用命のお品を受領します。ある品は棚から、ある品は冷蔵庫から、温度変化も考慮して、
順番を工夫しながらアルマンド(お皿)に盛りつけます。このとき苦手なお品などを省く配慮も欠かさず。
基本的には上記の2つが走り続ける次第にございますが、並行してお召し上がりあとの食器類を洗うため、
ここに運転係の堀越(ほりこし)が構えております。氏のキャリア、キャラクターを鑑みれば給仕係など、
表でお仕えをしても良いはずなのですが、本人がどうしても洗い場を希望しておりまして、この役割に…。
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▼ #名古屋の仮住まい その日、最後の主をお見送りする頃には、ほぼ翌日のご準備を整えてございます。
何十、何百というお皿を運び、その日さいごの主をお見送りをする頃には、デザート・ワゴンも撤収して、
給湯室、配膳室の清掃に取り掛かっております。これよりもずっと前の時点でパティシエ、シェフも退館。
食洗機も活用をしながら、複数名で残りの洗い物を片して、拭き上げたあと所定の位置に戻して参ります。
これと並行して家事係が、食材や調味料、飲料などの在庫をチェックして、発注をする業務もございます。
同時に翌日以降の予告状況を把握し、パティシエール、シェフに情報を共有いたしますのも大切なお仕事。
よほど賞味期限の短いものでない限り、ほぼ食材のロスが生じないのは #名古屋の仮住まい の特徴です。
週に1度はグリストラップの清掃も。2階の厨房から流れ込む排水のますを綺麗にして、蓋をいたします。
また「白の部屋」から家具を動かし、清掃係の清住を走らせますが、たまに彼が迷子になるので注意です。
館内のBGMを下げて、照明を落とします。この閉館にかかる作業が、およそ30分から1時間ほどの作業。
以上が #名古屋の仮住まい の裏側にある1日の流れにございました。駆け足のご報告で恐れ入りますが、
私たち使用人がお嬢様、旦那様の見えないところで、何をしてお仕えしているのか知っていただければ幸甚。
ご帰宅をなさってお喜びになったご様子、楽しまれたご様子を拝見しては、つど喜び噛み締めております。
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ところで話は変わりますが、お嬢様、旦那様はコンビニエンス・ストアのお品をお召し上がりになりますか?
お弁当にお惣菜、パンやスイーツなど、近ごろは本当に出来栄えが良くて、松原も重宝している次第です。
なかには本物の料理屋さんやお菓子屋さんに引けをとらないお品もございますね。費用対効果は抜群です。
しかし、そういうお品をいただきながら、どこか寂しさのような印象を覚えますのは気のせいでしょうか?
味はよくても、途中から食べる行為が作業のようになってしまうのは何故か、ずうっと考えておりました。
もしかすると「誰かが何かしてくれた」という事実を認識しにくいことが関係しているのかもしれません。
決して、コンビニエンス・ストアにあるお品の裏側に、なにもないとは申しません。多くのひとが知恵を
絞って、数々の苦労をなさった末に私たちの手元に届いているのは、紛れもない事実であると断言します。
ただ作り手の存在と、ストーリーを想像しにくいだけで、私たちの受け取り方は大きく変わるのでしょう。
私たち執事の館・準備委員会は、お嬢様、旦那様にお仕えしとうございます。この考えは使用人に共通して、
じっさいお目にかかる者も、給湯室や配膳室で青いグローブを着用する者も、おなじ気持ちにございます。
もしお嬢様、旦那様のお気持ちに余裕あれば、その裏側にいる使用人についてもお考えいただけますと幸い。
勿論 #名古屋の仮住まい へのご帰宅が叶わなくとも、わたくし松原が引き続きお便りを差し上げますし、
Twitter にはまいにち顔を出します。配送係の若鶴(わかづる)も #お申し付けの品 のご用意をします。
私たち執事の館・準備委員会は、他にももっと出来ることがあると考えて、日々模索をしている次第です。
今日は手前どもの話ばかりで、たいへん申し訳ございませんでした。お嬢様、旦那様、お加減は如何ですか。
普段と異なるカレンダーに振り回され、お疲れを溜めていらっしゃいませんか。慣れないお出かけをして、
高揚をなさっていませんか。予想外の出費に胸を痛めてませんか。微かな憂鬱にお困りはございませんか。
お嬢様、旦那様のため、何とかして差し上げたいのが、私たち執事の館・準備委員会の存在意義であります。
特にお困りのこともなくて、美味しいものをお召し上がりになりたい、というご要望も大いに歓迎します。
きょうご覧いただきました、裏側にいる者も含めまして、使用人みなでお仕えをさせていただきましょう。
明日も明後日も、そちら別宅の街からのお帰りを心からお待ちしております。今夜はこれにて失礼します。
ビー、ビー、ビーと鳴るオーブン。「はいはいは〜い」と応える菅原。#名古屋の仮住まい 緑の部屋にて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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このお手紙を初めてお受け取りになる主には、事前の説明もなく、唐突なものに映ったかと思います。
何卒、お許しください…この機会に、私たち執事の館・準備委員会のあゆみをご覧頂けますと幸いです。
私たちが活動をはじめて4年が経過し、バックナンバーは450を超えました。お時間のあるときに…。
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(過去の号から遡って御覧になることをお勧めしております。)
【 #執事の館 】 #初めてのお嬢様と旦那様にお伝えしたい事柄 【第6版】
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ご帰宅の予告は「主の手帳」から承ります。「仮の手帳」は随時差し替えをいたします。
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