第419号:行儀よくして。
このお便りは、37217 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、先日ご友人様からお誘いを受けられました集いは、参加のご意向でいらっしゃいますでしょうか。
お外が寒くなりますと、ひとは自然と寄りそいまして、胃袋と同時にこころを温めようとするのかもしれません。
気心の知れた仲とのお食事であれば大いに結構ですが、ときには緊張を伴う宴席に招かれる日もございましょう。
そういう時の作法として、つねに行儀をよくして過ごすのはもちろんのことでございますが、もし事情があって
早々に場を離れるときは、最大限の配慮をしたいものでございます。原則として早くに退席をなさいます際には
主賓に大きな声で挨拶をするのは控えるべきだと言われております。これは、場が冷めることを防ぐねらいが…。
わたくし松原、これに倣って宴席や懇親会などで振舞っておりましたが、先ほど、介添係の白壁(しらかべ)に
このことを話したところ「その場を気遣うという考え方で間違いはないが、主賓が近くにいらっしゃる場合には、
さりげなく声をお掛けして去ったほうが良い。」そして「ケースバイケース。」という助言を頂いた次第です。
よくよく考えますと、ふだんお嬢様、旦那様がお付き合いをなさるお相手様は、多様な関係性にあるかと存じます。
また宴席も、着座ですることもあれば立食もあろうかと存じますし、照明の明るさや、音響の度合いも様々です。
そのとき身を置かれます環境によって、正しい振る舞いは異なるということを改めて勉強させていただいた次第。
これは座学だけではとうてい身につけることのできない教養ではないかと存じます。何度も経験をして、時には
恥をかくこともあって、幸運にもどなたかに教わる機会をもって、その積み重ねが品性として表れるのでしょう。
繰り返しをいたしますが、恥をかく覚悟がなければ、品性は備わりません。これはマナーに限った話ではなくて。
お仕事でも、お勉強でも、最初は誰もが初心者でいらっしゃいます。そこで、失敗を恐れて経験を減らしますと
そのぶん間違える機会を喪失いたします。実は、この間違える機会こそが向上する契機である、ということです。
おそらく、お嬢様、旦那様の身の回りにもお心当たりが…他人に置き換えますと、分かりやすいのではないかと…。
昔から何度も申し上げますように、向上心の根底には自己否定の感情もございます。今のままで良いのだろうか、
あの時の方法は間違っていなかっただろうか、そのように疑いを抱き、改善できるポイントを見つける次第です。
ただしこのとき、ご自身の人格や価値まで否定なさるようなことだけは、くれぐれも避けて頂きとうございます。
今のままでも、わりと素敵。だけど、もうちょっと良くできたら、もっと素敵。とお考えいただければ幸いです。
ああまた、長い書き出しをしてしまいました…。昨晩に続きまして、執事の館・準備委員会の広報係を務めます
わたくし松原(まつばら)より、今日は #名古屋の仮住まい の動きについてご報告を差し上げとうございます。
このお便りは、とくべつ行儀よくしてお読みになる必要はございませんから、どうか寛がれたままお目通しを。
▼ #名古屋の仮住まい は来たる11月26日(日)に介添係による「 #マナーの日 」をさせていただく所存です。
▼ #名古屋の仮住まい 使用人一同は、2018年のはじめに差し上げる「年賀状」の準備に取り掛かっております。
▼ #名古屋の仮住まい 家事係の東山(ひがしやま)の「ゆず茶」は、まるで腹からお風呂に入るような温もり。
▼ 執事の館・準備委員会は、昨日より「 #すごい手帳 」に望まれる仕様を伺い、行儀よく拝読しております。
きょう最初のお便りは、介添係の矢田(やだ)からのお誘い。僭越ながら、わたくし松原が代読をいたします。
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▼ #名古屋の仮住まい は来たる11月26日(日)に介添係による「 #マナーの日 」をさせていただく所存です。
予てから、日曜日に催して欲しいとのお声に応えまして、来たる11月26日(日)に #マナーの日 を行います。
10月はじめに電書鳩に持たせた手紙でも触れておりましたように、この日は介添係の白壁(しらかべ)が、
主に「洋食におけるマナーのあれこれ」をテーマにして、実際にお食事をお召し上がりいただきながら、
作法のレッスンをさせていただきとうございます。
ふだん、なかなか人には尋ねにくいナイフやフォークの正しい扱い方、お食事の最中の「常識」と「非常識」、
紳士淑女にふさわしい立ち振る舞いなど、是非とも身につけていただきたい作法をご紹介させていただきます。
また、この日は「お箸」についてのお話も…実は「テーブルから手に取る所作」にも、きまりがございます。
ひとつひとつの細やかな振る舞いを知っていただき、お嬢様、旦那様をもっと素敵に演出することがねらい。
意識をしなくても、自然と振る舞っていただけるようになる、日々の好機と位置付けていただければ幸いです。
レッスンはぴりっといたしますが、通して楽しい雰囲気でさせていただきます。お一人での受講も歓迎します。
日時:11月26日(日)11時〜13時/15時〜17時/19時〜21時
お給金:9,800円〜 (とくべつなお申し付けのない限りは左記の通りです。)
お嬢様、旦那様の為にご用意させて頂くお品:
【前菜5品】…キャロットラペ・鶏レバーのパテ・鮪のハーブカルパッチョ・アランチーニ~トマトソース添え~
うずら卵とチーズの燻製
【スープ】…澄んだトマトスープ
【主菜】…牛ミスジ肉のステーキ
【デザート】…フルーツトライフル
お嬢様、旦那様のお帰りを、使用人一同、心からお待ちしております。(ご予告は今晩の23時から賜ります。)
https://www.butlers-house.net/reservation
名古屋の仮住まい
介添係/矢田(やだ)
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▼ #名古屋の仮住まい 使用人一同は、2018年のはじめに差し上げる「年賀状」の準備に取り掛かっております。
ところで、今月はじめに広報係として復帰をいたしました松原のもとに、あるお嬢様からご要望を賜りました。
「使用人から年賀状を送って欲しい。」とのこと。この件を #名古屋の仮住まい に糸電話で伝えましたところ
全ての使用人が賛同して、こぞって筆を取った次第にございます。(わたくし松原は、完全に出遅れました…)
Twitter では、松原の仕事が不十分で、これを特別な #お申し付けの品 として承りたい旨をお伝えしきれずに
無条件に送って差し上げるもの…と誤解を招いたこと、心の底から反省をしております。申し訳ございません。
繰り返し申し上げますが、これは私たち執事の館・準備委員会にご用命をいただくものとお考えくださいませ。
きょう #名古屋の仮住まい にお邪魔をして、それぞれの使用人が筆を走らせた「下書き」を拝見いたしました。
漢字を1文字あしらったものもあれば、可愛らしいイラストのもの、謎解きのようになっているもの、まさに
十人十色の様相にございまして、まことに愉快でございました。と同時に、出遅れた松原には大きな重圧が…。
現時点では、1人ずつ別にして投函をさせていただくか、全員ぶんをいつもの赤い封筒に収めて差し上げるか、
定かになってございませんが、遅くとも今月中にはお嬢様、旦那様からお申し付けを賜われるものと存じます。
このように、主の声をもとにして、新たなお仕えが実現いたしますことを、心から嬉しく思う次第であります。
いや、しかし、松原は何を書いて差し上げれば良いでしょうか…。
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▼ #名古屋の仮住まい 家事係の東山(ひがしやま)の「ゆず茶」は、まるで腹からお風呂に入るような温もり。
そう、いま松原は #名古屋の仮住まい にお邪魔をして、先述しました #マナーの日 について介添係の矢田と
白壁に話を聞いていたところ。この後に家事係の東山(ひがしやま)が「ゆず茶」の試作第1号をくれました。
これがもう、びっくりするほどに美味しゅうございまして、是非ともお嬢様、旦那様にご報告しとうございます。
東山の話によれば、もとは家事係の歌里(うたさと)が調達に奔走をした、国産の柚子を使っているとのこと。
もとの果実と、皮に含まれる旨味と甘味を生かすために、砂糖の分量はやや少なめにして調合しているとか…。
湯気から感じられる芳醇な柚子の香りは本物。お口に含んでから、おなかに流れ込むまでの温かさは至福です。
これはあくまで、12月から年明けにかけて、お嬢様、旦那様にお召し上がりいただくもの…と伺っておりますが、
「ゆず茶」に限ることなく、使用人一同は試行錯誤を繰り返して、喜ばれるお仕えを目指す最中にございます。
もしご帰宅の折、ご所望の品がございましたら、「ものはためし」の気持ちで、使用人にお申し付けください。
さて、次のご帰宅はいつ頃を予定なさいますか?手帳をお持ちいたしますね。
https://www.butlers-house.net/reservation
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▼ 執事の館・準備委員会は、昨日より「 #すごい手帳 」に望まれる仕様を伺い、行儀よく拝読しております。
今夜はひとつだけ、私たち執事の館・準備委員会にまつわることを…昨晩、ご報告を差し上げた手帳の件です。
もし「薄い手帳」「仮の手帳」、そして「主の手帳」の上に位置する「 #すごい手帳(仮称)」があったなら、
どんな仕様が求められるか。このご意見がたいへん参考になり、私たち執事の館・準備委員会の糧となる次第。
▽ すごい手帳(仮称)に寄せて
https://goo.gl/forms/7tK5qARZ2F3Ch8jK2
なんと現時点で 258 ものお声を頂戴しておりまして、わたくし松原はこの事実に、涙を堪えるのが精一杯…。
#名古屋の仮住まい を案じて、お知恵をくださった主に、この場をお借りして、心からのお礼を申し上げます。
ほんとうなら、私たち使用人が察してするべきこととは知りつつも、やはり、ひとつひとつのお声が嬉しくて。
あくまで、まだ確定は致しておりませんが、これまでに寄せられた案を抜粋して読み上げさせていただきます。
誕生日プレゼント、カップセレクト、ひとり滞在、予告時期の前倒し、お申し付けの前倒し、手書きのカード、
予期せぬ贈り物、1人でもチーズリゾット、本物の手帳、ロゴ入りの何か、馬車の利用、使用人の呼び出し、
ぬいぐるみの負担なし、お送りでなくお迎え、松原の手紙(!)、お宿の手配、ご試食のおねがい、などなど。
このほか、詳細に書き綴ってくださった主が 143 件。本当にありがたくて、どこにも足を向けて眠れません。
誠に勝手ながら、このフォームはあす 2017年11月13日(月)の午後5時ころをもって締め切らせていただき、
手帳係の長筬(ながおさ)、会計係の本山(もとやま)ら使用人との協議をさせていただく運びにございます。
始まったときからずっと、お嬢様、旦那様に助けて頂いてばかり、本来であれば私たち執事の館・準備委員会が
支えになりたいのに…立場が逆転していることを心から恥じつつ、心底からの感謝を申し上げとうございます。
ありがとうございます。
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ところで、きょう冒頭に述べましたマナーのこと。介添係の白壁も申し上げましたように、マナーというのは
必ずしも正解があるわけではなく、その状況やお相手様との関係性によって変化を遂げるものでございました。
それゆえに教本や、教師によっていうことが異なっていたり、ときには全く反対の教えがなされる次第です。
「行儀がよい」という評価は結構なことで、他人の気分を損なわず、じょうずに振る舞う様子が想起されます。
マナーを知っている、というのも素晴らしくて、いやみなく人格や品性を見せる素養のひとつと申せましょう。
ただ、その振る舞いが、必ずしも常に正しいとは限らない、というのが最初に申し上げた結論にございました。
その本質にあるのは、お相手への「気遣い」で、もうすこし堅苦しい表現を用いますと「思考」かと存じます。
お相手を気持ち良くしたい、喜ばれたい、という「思考」を常に走らせ続けるのが、マナーの本質であります。
つまり、マナーを身につけるという行為は、決して「覚えること」だけではなく「考え続けること」なのです。
その「思考」をパターンとして切り取って分かりやすくしたものが、お箸の持ち方、退席の仕方というふうに
ご理解をいただけると、さらに奥行きが深く見えるのではないかと存じます。かく申し上げるわたくし松原も
白壁や矢田と、ともにお仕えをするようになって学ばせてもらったことは数多くて、勉強になっております…。
最終的には、知識でなく生きざま、なのかもしれません。それはあらゆる分野に通ずる真理のようなものです。
いまお嬢様、旦那様にとって、よいお手本になる方がいらっしゃるとしたら、それはまことに素晴らしいこと。
そのご縁を大切にして、誰かと向き合うとき、本当の意味で「行儀よくして」お過ごしいただければ幸いです。
寒さが増しますと、つい背中は丸くなってしまいがち。お外を歩かれますとき、椅子に掛けて過ごされるとき
すこしだけ行儀をよくして、肩を開くことを心がけくださいませ。これは身体にも、精神にもよいと聞きます。
マナーで窮屈になってはなりませんが、マナーがお嬢様、旦那様を助けることは、これ以外にもございましょう。
もしお望みでしたら、東山と歌里がつくった「ゆず茶」の試作をお試しになりますか?お身体が温まりまして、
寝つきが良くなるかもしれません。ところで明日は、何時ころのお目覚めを予定していらっしゃいますか?
承知いたしました。今夜はこれにて、失礼いたします。
ラプサンスーチョンの香りで満ちる #名古屋の仮住まい 「緑の部屋」にて。クマのぬいぐるみに見守られて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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このお手紙を初めてお受け取りになる主には、事前の説明もなく、唐突なものに映ったかと思います。
何卒、お許しください…この機会に、私たち執事の館・準備委員会のあゆみをご覧頂けますと幸いです。
私たちが活動をはじめて4年が経過し、バックナンバーは400を超えました。お時間のあるときに…。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
(過去の号から遡って御覧になることをお勧めしております。)
【 #執事の館 】 #初めてのお嬢様と旦那様にお伝えしたい事柄 【第6版】
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ご帰宅の予告は「主の手帳」から承ります。「薄い手帳」「仮の手帳」は随時差し替えをいたします。
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