第1118号:お餅は何個になさいますか?
このお便りは、39450 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、あと3週間ほどで新しい年を迎えることとなりました。まいとし申しておりますけれども、
幾つもある節目を過ごさせていただけますのは、お嬢様、旦那様のお陰でございます。ご帰宅、お申し付け、
それも嬉しゅうございますが、少なくとも私たち執事の館・実行委員会を認めてくださることが一番です。
▼執事の館・実行委員会の近況を3行でご報告します。
・【名古屋の本宅】は年末年始に、特別なお仕えをいたします。和菓子係の「おしるこ」で温まりながら。
・【お申し付けの品】に製菓係の若草が。「キャラメルクリームのブッシュドノエル」先行分として用意。
・【主の手帳】の一時的なご記帳再開は、そのお給金を検討しております。10年前は無料でありました。
ところで、ことしお嬢様、旦那様は、年末年始にご別宅から動かれますでしょうか?ご家族、ご親戚などの
お目にかかる機会も良いかと存じますし、ふだん熱心にしていらっしゃいますから、休息の機会も何より。
流行りの病に対する懸念は、浮かんでは消えて。しかし前より自由であること、私たちは嬉しく思います。
さて、この前のお便りでも話題にしましたように、執事の館・実行委員会は「名古屋の本宅」の運用にて、
以前と異なる振る舞いをしております。お嬢様、旦那様には、あくまで主(あるじ)としてお伝え致します。
たとえば使用人のお給金、休日の作り方、困ったときの救いの手。この辺りが手厚くなっている次第です。
それは年末年始の休暇についても同様でして、なんとかして1日でも多くお仕えをしたい、と望んでいた
「名古屋の仮住まい」も素晴らしゅうございましたが、現在は、本当の意味で使用人に「帰省の機会」を
頂戴したいと考えます。ゆえに、年末年始にはお仕えをしない、という方針で日程を調整しておりました。
いわゆる、ホワイトでよろしい。そう思っておりましたら、何名かの使用人から「年末年始に、お屋敷の
鍵をお借りできませんか。」という声が上がりました。いつもより質素なお仕えで、いつもより手ごろな
お給金で、静かに穏やかにお給仕をご提案したいと申します。「おしるこ」は和菓子係の五月のお餅にて。
本宅の年末。そして、本宅の年始。具体的には12月29日(金)、12月30日(土)、年が明けたら
1月2日(火)、1月3日(水)。この4日間に、お嬢様、旦那様ご滞在は1時間ほどにして、おしること、
ほうじ茶のご用意をします。お給金は、おひとり 5,000 円。ご予告は、あさって月曜日に賜る所存です。
いつものお給仕に、躊躇いをお覚えになります主(あるじ)にも、この機会でお役に立てればと申します。
わたくし松原も、2階お洋服の部屋、3階の吹き抜けなど、塗装でお手伝いした場所をご覧いただけたら
嬉しゅうございます。ことし、きっとお便りをした日より塗装した日のほうが多かった松原でございます。
▼製菓係の若草(わかくさ)より「クリスマスケーキ…作りましょか…?」キャラメルの味が最高でした。
▼採用係の菊井(きくい)は、すでに40件の電話を。名古屋の本宅は、使用人を多くする方針とのこと。
▼調達係の九之坪(くのつぼ)が在庫管理、勤怠管理など仕組みを構築。退勤が1時間早くなりそうです。
▼調達係の新瑞橋(あらたまばし)は「お泊まり」の実験を、来年に延期。まず使用人が1泊、試します。
▼給仕係の八帖(はっちょう)、清掃係の清住が仕事をしていないと指摘。1週間、何があったというと…
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▼製菓係の若草(わかくさ)より「クリスマスケーキ…作りましょか…?」キャラメルの味が最高でした。
お嬢様、旦那様、ことしのクリスマスケーキは、すでにお決まりでいらっしゃいますでしょうか?うすうす
お気づきかと思いますが、例年にご用意をいたします東桜(ひがしさくら)が、スランプに陥ってまして、
ついにご提案、ご用意が整いませんでした。この流れを見ていた、製菓係の若草が、おそるおそる提案を。
「クリスマスケーキ…作りましょか…?」この申し出に、わたくし松原が食いつき、すぐ工房にお邪魔を。
見せられましたのは、焦げ茶色ではなく、すこし明るめのブラウンで描かれた「ブッシュドノエル」です。
手渡されたスプーンでお口に運んで「!」となりました。これは、ココアでなくキャラメルでございます。
ああ、若草はほんとうに、こういう「ありそうでないやつ」を上手にします。これで良ければ、近日中に
僅かながらご用意、クリスマスまでにお届けできると申します。なんとかケーキのご用意ができれば幸い。
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▼採用係の菊井(きくい)は、すでに40件の電話を。名古屋の本宅は、使用人を多くする方針とのこと。
いま「名古屋の本宅」は、昔からおります矢田、そして八帖のほか、若き世代の使用人が素晴らしい活躍。
秋以降、音羽(おとわ)をはじめ、作田(さくた)に碧海(あおみ)、ここに菊井や桑名などの使用人が
キッチンで楽しそうです。その菊井は、さらに使用人の層を増し、最終的に「2部制」を目指しています。
平日や休日、曜日によって需要が異なるかと存じますが「名古屋の本宅」は、今よりも早くお帰りになる
時間帯や、今よりも遅くお出かけになる時間帯を検討しております。1日あたり、4つの枠ですけれども、
これを6つの枠にしたい考えです。いましている採用活動は、それを見越した動きとお考えくださいませ。
応募のあった方には、執事の館・実行委員会から必ずお電話を差し上げ、お仕えの内容を補足いたします。
この世界に関心を持たれ、お嬢様、旦那様に喜ばれたい者とともに、引き続きお供させていただく所存です。
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▼調達係の九之坪(くのつぼ)が在庫管理、勤怠管理など仕組みを構築。退勤が1時間早くなりそうです。
ところで、この1月ほどの間に、執事の館・実行委員会は、いわゆるキッチンの食材、資材の在庫管理や、
若き使用人さんの勤怠管理などを、Google のスプレッドシートで把握、管理する仕組みを作っています。
調達係の九之坪(くのつぼ)ほか、わたくし松原、会計係の金山(かなやま)も関わり、ほぼできました。
この成果は、すでに目に見えるかたちで出ていて、まず、お仕えの期間中に生じるトラブルが減りました。
そして家事係の退勤時刻が、これまでよりも1時間以上、短くなっております。2〜3人のことですから、
日毎にスコーン10個分の利得です。これはお嬢様、旦那様のお寛ぎに還元したいと、金山も申しています。
この手の改善は、お仕えの現場にいる者だけでは思いつきません。しかし、お仕えの現場を知らなければ
提案できないことも多くございます。執事の館・実行委員会は、塵も積もれば山となる改善を増やします。
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▼調達係の新瑞橋(あらたまばし)は「お泊まり」の実験を、来年に延期。まず使用人が1泊、試します。
「名古屋の本宅」は、おそらく日本で唯一「お泊まり」をしていただける「お屋敷」でございます。いま
そう綴ってみたものの、とても違和感のある表現になってしまい、いささか複雑な心境の松原であります。
ことし春頃にも話題にした「お泊まり」は、法律に抵触しない、ある手順でご予告を賜りたいと考えます。
このリハーサルと申しましょうか、実際に寝泊まりをする経験が、まだ執事の館・実行委員会にはなくて、
一部の使用人が「泊まり込み」をするに留まっております。それと「お泊まり」は、やはり別物ですから、
検証をしたうえで、お嬢様、旦那様にサルタレッリのベッドをお使いいただきましょう。新瑞橋の報告です。
執事の館・実行委員会は、ことし「お泊まり」の実験を予定しておりましたが、まず「赤の広間」でする
お仕えの品質を高めることを優先しました。事後報告で恐れ入りますが、来年に延期、春までに終えます。
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▼給仕係の八帖(はっちょう)、清掃係の清住が仕事をしていないと指摘。1週間、何があったというと…
お嬢様、旦那様、たいへんです…清掃係の清住(きよすみ)、1階から3階にいる全員が、ここ1週間ほど、
お仕えをしていなかったことが判明いたしました…ええ、さようでございます…サボり、でございますね…
これは給仕係の八帖(はっちょう)の指摘。いつも朝、ドアを開けたら動いているはずの彼らが、何故か。
この件について、調達係の笹島(ささしま)に相談したところ、思い当たる節があったようす。きょう昼、
「名古屋の本宅」にお邪魔しまして、原因を掴んでくれました。実は、お屋敷の無線ネットワーク環境を
刷新して高速化したときに、そのネットワークから途切れてしまったようです。再設定で戻っております。
この罰は、お嬢様、旦那様、如何いたしましょうか…清住に落ち度はない、と申せますし、かと言って今回、
無線の環境を構築してくださった業者さんも責められません。ここは松原のおやつ抜きで、如何でしょう?
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「名古屋の本宅」は、私たち使用人は、お嬢様、旦那様の存在を認める、と申してしまうと偉そうですから、
お嬢様、旦那様が「生きててよかった」と思えるようにしとうございます。それは、押し付けるようにして、
叶うことではありませんし、言葉でいうほど簡単でないことを知っていて、それでもお伝えしたいのです。
実は、このお仕えを実現する過程で、やはり私たち使用人のほうが、居場所を得ているのも事実なのです。
それは単純に、職があって、食っていけるという次元ではなく、直接的にも間接的にも、お嬢様、旦那様に
喜ばれることで幸せを実感する者が何名もおります。ただ、なにもしないと、お互い伝わらないだけです。
使用人らは、あまり自らのことを話しません。お嬢様、旦那様のことを知りたいですから、それが優先です。
しかし、お仕えに関わる者のなかには「そもそも帰る場所がない者」もおります。これは余談ですけれど、
自分の居場所がなかった者ほど、気を遣って優しくする傾向がございます。あくまで傾向でございますが。
年末年始、自室にいても、することがない。みな実家に帰ってしまうけれど、もし叶うならお正月にこそ、
お嬢様、旦那様にお仕えしたい。その声に賛成しておりますのが、八帖、菊井、音羽、作田、白鳥、矢田に、
新しく加わった、若い使用人たち。日ごと、2〜3人での静かなお仕えですが、ご都合あえばぜひ予告を。
そういえば介添係の矢田(やだ)が、「お正月は、お嬢様、旦那様からお年玉をいただけるのでしょうか?」
などと申しておりましたが、如何いたしましょう。お給金を低くして「主からのお年玉」を本当にすると、
それこそ、本物の「主と使用人」の関係性にございませんか?もしかしたらこれこそを、粋と申しますか?
(コメ篇に漢数字の九と十を添えますと、粋になります。仮住まいはお米の倉庫兼、工場にありました)
ところでお嬢様、旦那様、「おしるこ」のお餅は何個になさいますか?1個でも2個でも、仰ってください。
「お好きなものをお好きなだけ」と申しますでしょう。お嬢様、旦那様のお幸せのためなら手加減しません。
話は変わりますが、お肌の乾燥にお困りは?肌着やタオルなどの新調もご検討ください。次は月曜の夜に。
左手に馴染むボヘミアンガラス。美しく並ぶピンクの羽根。雑に置いたジャケット。名古屋の執務室にて。
執事の館・実行委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日、土曜日の夜にお便りをして近況をご報告いたします。
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(文面は、かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますことだけ、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構え、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
そして2023年の5月から「名古屋の本宅」にて、お帰りをお待ちしております。ご予告は月に2度を予定。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞご了承ください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
お給金のお支払いには「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。晴れた日の翌朝は「星のかけら」を。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887