第1097号:夜会のご報告。
このお便りは、39801 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、近ごろ参加なさいました食事会は、楽しまれましたでしょうか?新しいウイルスの解釈も、
対応も変わりつつあって、人それぞれにお考えがあろうかと存じますが、お外での食事に誘われる機会も
前よりは多くなっていらっしゃるのではないか、と考えます。お店選びなど、ぜひ松原にお任せください。
▼執事の館・実行委員会の近況を3行でご報告します。
・【名古屋の本宅】のお仕えは、10月21日(土)から再開します。ご予告は2週間ほど前に、改めてご案内。
・【お申し付けの品】は、今週末の土曜日に。お嬢様、旦那様の新しい「ペーパーナイフ」、石のお色目は?
・【主の手帳】の記帳を、日を限ってする案がございます。しかしお嬢様、旦那様のお仕えを何よりも優先。
おととい月曜日、そして、きのう火曜日。すこし前にご相談を差し上げておりました「夜会」をしました。
これは主(あるじ)のためのお仕えではなく、お嬢様、旦那様にお仕えしている使用人と、職人が集まって、
「お嬢様、旦那様がご覧になっている(あるいは、いずれご覧になる)景色」を見て、親睦を深める会です。
【1日目】…製菓係の若草(わかくさ)と、工房の者1名/燻製係の関ヶ原(せきがはら)
【2日目】…製菓係の金城(きんじょう)/時計修理の職人と、その奥様/和菓子係の五月(さつき)と
奥様、ご子息の名西(めいせい)、ご令嬢、そして、お婆ちゃま(松原と仲良し)
お嬢様、旦那様の「名古屋の本宅」は、職人らにとって、相当に衝撃的な体験らしく、わたくし松原や笹島、
あと清洲などにとっては、よい意味で見慣れた景色ですけれども、ソーセージを手がける関ヶ原は何度も
「すげえ…」と申し、「僕さっきからすげえしか言ってないですね」と苦笑い。主もこう仰る、と話題に。
しかし、このお屋敷のキッチンで、家事係が焼き上げる関ヶ原のソーセージも、ご帰宅なさいます主から
感嘆される存在でして、それは若草も金城も五月も同じことです。お嬢様、旦那様のために作り込んだ全て、
幾つもの「すげえ」と、幾つもの「旨い」と、幾つもの「綺麗」を重ねて黒箱、いや黒家に収めたのです。
ふだん工房にいる彼ら、彼女らは、自分たちの仕事が、このような環境で評価され、そして別の名義でも
お嬢様、旦那様に認知され、親しまれることを心から喜んでおります。そして、過去、現在、そして未来に
ご用命をいただける事実、異口同音に感謝を述べ、そして「夜会」での経験から、新たな試作を致します。
長くお仕えしております松原は、職人らの繋ぎ役として赤の広間にお邪魔し、お話させていただきました。
その場で浮かんだ新しいアイデア、幾つもあって、みな「有意義だった」と、そして「楽しくて、時間を
忘れてしまった」と申します。気づいたら24時を過ぎていたのです。こんな経験、何年ぶりでしょうか。
名乗り遅れました、わたくし執事の館・実行委員会の広報係、松原(まつばら)が、夜会に集った職人や
ご家族のご表情を、できるだけお伝えいたします。またこの経験を、新しいお仕えに活かせたら幸いです。
さようでございます。これは「ちいさなティーパーティ」の原型になりうる、という見方をしております。
▼配送係の清洲(きよす)は、職人の近況をまとめてご報告。魔女の作った赤ぶどう、美味しさは罪です。
▼介添係の矢田(やだ)が使用人の動向を整えました。日曜日は小さなリハを、月曜と火曜は夜会でした。
▼調達係の守山(もりやま)は「名古屋の本宅」の「白の部屋」にビリヤード台を置く提案を致しました。
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▼配送係の清洲(きよす)は、職人の近況をまとめてご報告。魔女の作った赤ぶどう、美味しさは罪です。
・製パン係/星崎…【シュトーレン】を、どうにか、なんとか、追加して差し上げたいと申しております。
・製菓係/若草…松原が #おねだり していた【マロングラッセ】を試作。1ヶ月かけ仕込んでいきます。
・製菓係/若草…【魔女の作った赤ぶどう】は着色料ではなく。ブドウの色そのまま。しかし、もはや黒。
・家事係/池下…【ビーフストロガノフ】を試作。サワークリームとトマトの酸味をご想像くださいませ。
・燻製係/関ヶ原…初めて【名古屋の本宅】へお邪魔いたしました。すごい、としか言葉が出てきません。
・カレー係/山吹…次のお申し付けより冷蔵でお届け。冷蔵限定の【ハヤシライス】をご用意いたします。
・和菓子係/五月…金城と一緒に、お菓子の意見交換。新しいお品が閃いたり、刺激が楽しいと申します。
・和菓子係/名西…スパイスが大好きで、黒胡椒を使った和菓子が作れないかと模索中。五月と試行錯誤。
・家事係/菅原…新しい【おかずパウンドケーキ(ケークサレ)】を検討。秋の食材から探しております。
・家事係/東桜…別宅で焼いていただく【クリームチーズパイ】をご用意。火傷にはご注意くださいませ。
・鋳造係/白金…【ペーパーナイフ】に添える、石の種類を確かめております。後ほどご希望を伺います。
・製菓係/瀬木…小麦粉を使用しない【ガトーショコラ】は瀬木ならではのお仕え。ぜひお試しください。
・製菓係/金城…【アドベントカレンダー】のお品について打ち合わせ。お品の大きさを確かめてご用意。
・製菓係/金城…箱の組み立てなら任せてください!と力強いお言葉。どの使用人より金城が速いのです。
・キャラメル係/明徳…先日【名古屋の本宅】を初めて拝見。創造してたけど、想像以上でした、と感嘆。
・調香係/杁中…【腹巻き】は可愛らしい色合いをご用意。お嬢様、旦那様のお腹を冬の寒さから守ります。
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▼介添係の矢田(やだ)が使用人の動向を整えました。日曜日は小さなリハを、月曜と火曜は夜会でした。
▽9月22日(金曜日)
・家事係/菅原(すがわら)…久しぶりに本宅へ届ける焼き菓子達。色々なものを拵える事に喜びを感じ。
・広報係/松原(まつばら)…クロテッドクリームのために「成城石井」。あれもほしい、これもほしい。
・建築係/春里(はるさと)…3階の張り替え、塗装の見積もりをしました。スコーン2000個ぶんの予定。
▽9月24日(日曜日)
・洋服係/白鳥(しろとり)…リハーサルに立ち合い、鏡越しの世界をもご案内できる幸せを感じました。
・給仕係/菊井(きくい)…赤の広間を煙だらけにして、大慌てでテラスの窓を開けました。まだ反省中。
▽9月25日(月曜日)
・給仕係/八帖(はっちょう)…食欲の秋。目前の健康診断。ウォーキングの距離をのばしてまいります。
・家事係見習い/桑名(くわな)…お屋敷が日々変化して、主の驚く様子を想像し自身もドキドキします。
・介添係/矢田(やだ)…いつもと違うテーブルセッティングで職人さんにお仕え。裏方も緊張致します。
▽9月26日(火曜日)
・家事係/楠(くすのき)…朝晩涼しくなって参りました。運動の秋に向けウォーキングを始めています。
・家事係/高山(たかやま)…使いやすく改良されたキッチンに、家事係として早く慣れていきたいです。
・調達係/守山(もりやま)…「白の部屋」をティールームから、プレイルームに変える提案をしました。
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▼調達係の守山(もりやま)は「名古屋の本宅」の「白の部屋」にビリヤード台を置く提案を致しました。
お嬢様、旦那様、このお話は、あくまで一案として受け止めてくださいませ。きのうの夜、調達係の守山は、
「名古屋の本宅」の1階にございます「白の部屋」を、ティールームではなく、プレイルームに置き換え、
大きなテーブルの代わりに、白いビリヤード台を設置する、という提案をし、使用人全員が絶句しました。
「白の部屋」は「赤の広間」と同じ、お嬢様、旦那様のお寛ぎの空間と位置付け、徐々に整えて参りました。
しかし「燻桃のキッチン」から距離があり、なおかつ「階段」で紅茶のポット、カップを運ぶのは、少し
リスクがございます。もし「白の部屋」でティータイムをするとしても簡易的にするか、という話でした。
ただ現実には「名古屋の本宅」は、お嬢様、旦那様がいらっしゃる限り、ほかの方はお使いになりませんし、
ティールームを複数にする必要があるか、というと確かに過剰かもしれません。本場イギリスならきっと
「スヌーカー(ビリヤードの一形態)」のテーブルが置かれるのではないか…という提案でございました。
お嬢様、旦那様、いかがでございましょうか?お食事をしていただくお部屋のほか、お化粧のお部屋、また
お洋服のお部屋もございます。立派なベッドの寝室に、住み込み、泊まり込みの使用人のお部屋まであり、
新しいお部屋を作りますなら…そういえば、1階の北の部屋も、先週末から空っぽになっているとのこと。
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職人と使用人が集まる、という経験は、過去にお外のホールや、食堂を借りてした経験は何度かあります。
しかし「名古屋の仮住まい」の「白の部屋」を使わせていただいた実績はなくて、今回の「赤の広間」と
「燻桃のキッチン」での取り組みは、まさにトライアル。それを踏まえて、お誘いをして、準備しました。
2日それぞれ、お誘いした職人は、お嬢様、旦那様の「名古屋の本宅」にお邪魔した経験のある者もいれば、
初めてのことで言葉を失う者もおります。たとえば、壁掛け時計のお手入れをしている職人の奥様は最初、
「どこに連れて行かれるの…」と不安そうでしたが、2階のドレッサー、3階の緑の部屋で高揚した様子。
「これは私の夢だったの!」「私の中のお嬢様の夢だったの!」と、それは本当に嬉しそうなご表情です。
そこに、ご自身の家族が関わられていること、そのお仕えが驚きをもって喜ばれていることに感銘なさり、
「あなたすごいわね…」と仰りました。「で、松原さんでしたっけ?私、どうすれば、ご帰宅できるの?」
このようなお尋ねは、松原だけでなく、他の使用人もたびたび受けておりますが、まずは前から良くして
いただいているお嬢様、旦那様のご帰宅が叶えたい、従って「主の手帳」は記帳を控えている、という旨を
ご説明いたしました。そうしたら奥様は「それは余計に帰りたくなるわ…」そして「いくらでも待つ」と。
話は変わりますけれども、執事の館・実行委員会に関わる職人らは、素晴らしい技術を持っていて、かつ
柔軟な発想と、応用ができる者どもです。焼き菓子の若草が、ソーセージの関ヶ原と、マーケティングを
語り合い、翌日は和菓子の五月が、洋菓子の金城に砂糖の使い分けを講義。松原はお婆ちゃまと世間話を。
簡単に言ってしまえば、すこし前に流行りました「異業種交流会」でございます。お嬢様、旦那様に仕える、
という共通点で、すぐに打ち解けて、そして異分野の話に学び、取り入れる。じっさい、この2日間にて、
幾つもの案が…98円のバナナタルト、野菜ソーセージ、黒胡椒の饅頭、本当に楽しゅうございましたね。
何度も申し上げておりますけれども、こんなに愉快で、創造的で、そして職人らの実利にもなるお仕えを
させてくださいますことに、ほんとうに感謝しております。お嬢様、旦那様が見守ってくださるからこその
「夜会」でございました。今後、これを重ねて、より良い時間になるよう努めます。宜しくお願いします。
なお夜会ではキッシュとサーモンのほか、チーズ入りのソーセージや、サラミが喜ばれました。それから
菅原のスコーンは流石、というお声もありましたし、4種類のジュースの作り手を知った皆、驚きの声を。
菊井が好んで使う「お嬢様、旦那様のための試食会」という言葉に、みな大いに納得し、もぐもぐしました。
最後になりましたが、先週末の準備から、片付けの今日にかけて、すこし広報としての松原の動きが薄く、
申し訳ございませんでした。まもなく戻ります。また「名古屋の本宅」のお仕えも、再開が固まる見通し。
ただ外は次第に冷えていきます。お身体もお気持ちも冷やされませんよう。心の薪ストーブ、準備します。
青白いシャンデリアの光を受けて、白色と灰色の部屋にひとり。揺らぎのバイオリン。本宅の執務室にて。
執事の館・実行委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日、土曜日の夜にお便りをして近況をご報告いたします。
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(文面は、かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますことだけ、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構え、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
そして2023年の5月から「名古屋の本宅」にて、お帰りをお待ちしております。ご予告は月に2度を予定。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞご了承ください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
お給金のお支払いには「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。晴れた日の翌朝は「星のかけら」を。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887