第78号:ピアノフォルテ。
このお便りは、25427 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、今日はまだお部屋には戻られませんか。
もしいま、お時間がございましたら、すこしご報告をさせて頂きたいのですが…宜しいでしょうか。
「名古屋の仮住まい」は、今週もひきつづき開館の準備に勤しんでおります。
きのう4月16日は、先行して厨房の引っ越しを完了。2ヶ月にわたるテストキッチンでの試作を、
本番とほぼ同じ環境で引き継ぐことになりました。とはいえ、作業をして初めて分かることも多く、
少し作業を進めては買い出しに出掛けたり、パソコンに向かい資材、設備の発注を繰り返したり…。
シフォンケーキやスコーンの連続焼成に取組むには、もう少し時間が掛かりそうです。
厨房の他のエリアは、様々な技能を持った職人さんが現場入りをして、非常に混雑した様相です。
正面玄関のアーチを仕上げる職人がいれば、その奥でドアの重ね塗りに精を出す者もおりますし、
床にカーペットを敷いてカッターで慎重に切り取っていたり、お手洗いの台を設置するいっぽう、
既存の壁に吹き付け塗装を行なう者もいて…朝一番と夕方とでは、違う光景が見えて参ります。
給仕係および介添係の研修のためには、「白の部屋」のほかに…いや、この辺りは報告しない方が、
ご帰宅の楽しみになりますので控えておきましょう。まぁ、少なくともお手洗いが完成しなければ、
落ち着いて研修に取組めませんから、これらの工事が完了する来週の火曜日以降、23日の水曜日に
トレーニングの環境を「名古屋の仮住まい」に移せるものと思われます。
当初の見込みよりは少し遅れておりますけれども、これだけの規模の内装工事を、
これくらいの遅れで留めているのは、素晴らしいことではないでしょうか。
お待たせをしていることについては、執事の館・準備委員会一同、心からお詫び申し上げます。
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この時間を利用して、これまで検討してきたプランにもいくつかの見直しを行なっております。
たとえば赤の広間を前提にピックアップしていた一部の食器を、白の部屋の雰囲気に合わせて、
同等グレードの別ラインナップに切り替えたり、カーテンに防炎加工を施したり…選定が遅れていた
玄関のブラケットの発注や、窓格子や前庭の演出について検討が重ねられております。
こちらも出来上がって初めて分かることも多く、臨機応変にプランの変更をしております。
また音響設備については、予算と音質のバランスからBOSEとYAMAHAの2社に絞り込み。
ピアノの音色、強弱の表現や遠近感をなるべく正確に表現できる音環境を目標としておりますが、
どうしても天井に埋めるタイプでは、立体感が乏しくなることをどうかお許しくださいませ。
この弱点を出力で補えるよう、専門家が音像の設計に取組んでおりますので、ご期待ください。
このアンプ、スピーカの組合せで再生する楽曲は、愛知県名古屋市在住の演奏家さん達に依頼をして、
開館から閉館までのおよそ10時間を一つの物語として捉え、プレイリストにして頂きました。
ひとつのアルバムを繰り返す訳ではなく、ご帰宅のたびに異なる楽曲が再生されますから、
季節、天候、曜日や時間によって違う雰囲気をお楽しみ頂けることでしょう。
今のところ「ピアノソロ・コレクション」と「弦楽ソロ・コレクション」の二つが完成。
ひきつづき「弦楽アンサンブル・コレクション」の組成に取組んでおります。
お嬢様、旦那様のお口…ではなく、お耳に合えば幸いです。
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続いて、先週の木曜日に実施した帰宅予告のリハーサル以降、話題になっておりましたお席について。
執事の館・準備委員会は、「主の手帳」帰宅予告ページの作成に伴い「名古屋の仮住まい」における
本格的なタイムテーブルの策定に取掛かっております。
現時点でお伝えできることとしては、お嬢様、旦那様、1回のご帰宅につき90分の滞在を想定し、
開館直後は「白の部屋」のみのご利用。お席の種類は「1名」「2名」「4名」の3種類を設けて、
ご存知のとおり、予め帰宅予告のページからご友人のお誘いを頂くという流れを想定しております。
ただこのとき「2名や4名のお席を1名で利用せざるを得ない」もしくは、「1名で利用したい」
という場合もあるかと。このとき、予告された主が空席分のお給金の一部をご負担頂く前提で、
「主の手帳」にオプションを用意するものと伺っております。
ただし、この機能が設けられるまでには少し時間を頂きますので、何卒ご了承くださいませ。
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さて「愛知県西尾市のバウムクーヘン」、つまり抹茶味のバウムクーヘンは、4月19日(土)の
21時10分からの申し付け。工場長の黒川さんから提案された生産数は、連休前後の2日程を250箱、
以降は500箱ずつの生産を想定して準備を進められております。
2014/05/02(金)発送分 250箱 https://www.butlers-house.net/product?product_id=28
2014/05/09(金)発送分 250箱 https://www.butlers-house.net/product?product_id=29
2014/05/16(金)発送分 500箱 https://www.butlers-house.net/product?product_id=30
2014/05/23(金)発送分 500箱 https://www.butlers-house.net/product?product_id=31
2014/05/30(金)発送分 500箱 https://www.butlers-house.net/product?product_id=32
きのう16日には、「愛知県西尾市のバウムクーヘン」に合う紅茶を求めて試飲会を実施致しました。
これまで同様に、3種類の茶葉を添えてお届けできればと考えております。もちろん牛乳さんや、
緑茶、ほうじ茶などもよく合うかと存じますから、ぜひ手元のものでお試しくださいませ。
それから間もなく、5月下旬の発送を目安に「愛知県尾張旭市の紅茶」をご案内させて頂きます。
これまでのお花やお菓子とは異なり、賞味期限の長いお品ですから、ある程度の個数をまとめて、
いちどに発送できるものと思います。詳細は追って、また…。
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今日の見出しは、19世紀以前に生産されていた古い様式のピアノのこと。いっぽう現代のピアノは、
「モダンピアノ」などと呼んで区別するそうですが、私もその名を耳にした記憶はございませんね…。
幼少より音楽を嗜まれているお嬢様、旦那様ならご存知のことでしょうけれども、
楽譜における「p(ピアノ)」「f(フォルテ)」は、それぞれ「弱く」「強く」を表現する記号。
ピアノの前身と言われている「チェンバロ」には、音の強弱を表現する機構が備わっておりませんから、
これに打鍵の強弱で表現の幅を広げたものを「gravecembalo col piano e forte」と称したのが、
現在でいう「ピアノ」の語源と言われております。そう、イタリア語でございます。
管楽器は1音、弦楽器は3音、ギターは6音と、同時に鳴らせる音の数で比較すると、
80音以上を同時に響かせるピアノフォルテの登場は、音楽史を代表する発明かと存じます。
「名古屋の仮住まい」における音楽(BGM)の扱いも同様。現代の優れた音響機器を用いながらも、
お嬢様、旦那様にとって最適なレベルで、旋律を奏でるように整えましょう。
そこには、ピアノフォルテの精神が流れているはずです。
ところで、お嬢様、旦那様。もし今晩、ご都合宜しければ帰宅予告リハーサルにお付き合いくださいませんか。
きょう20時頃には「主の手帳」の右側に、帰宅を予告するリンクが設けられますので、ぜひ。
何も無くなってしまった、空っぽのテストキッチンより。
このお手紙は、執事の館・準備委員会の広報係、松原がお送りしました。
準備委員会のあゆみは「過去のお便り(バックナンバー)」から、ご覧くださいませ。
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