第441号:余白を足して。
このお便りは、37410 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、近ごろ整ったレイアウト、美しいデザインで、お困りになる機会はございませんでしたか。
紙の上に並べた文章であったり、お皿の上の料理であったり、お部屋の中の家具なども配置に悩みますね。
ご自身の目に触れるだけならよいのですが、これを他の誰かに見せねばならないときはいっそう困ります。
決して批判する意図はございませんが、日本の学校教育で教わる「美しさ」は、作品そのものの良し悪し、
先の例えでいう文章、料理、家具といった「作品」を評価する傾向にございましょう。しかし、それらを
上手に見せるコツを教わる機会は、まず滅多にございませんし、それを知っている人すら少ないはずです。
結論から申し上げますと、もの(作品)をきれいに見せるコツは、その周囲にある「余白」にございます。
文章なら上下左右の「余白」を大きくとり、料理なら大きめのお皿を選び、家具は周囲の空間を確保する。
さすれば、同じもの(作品)がよく見えることを、一流のデザイナーやシェフはよくよくご存知なのです。
ひとは概して、上手な文章、綺麗な絵画、美味な料理をつくろうと熱心になさいます。それは結構ですが、
「余白」を大きく、かつ揃えるだけで印象が良くなることにお気づきでない方は、多くいらっしゃいます。
美しく見せたいときは、少しだけ視野を広くして、その周囲のコントロールをぜひ、お試しくださいませ。
慣れるまでは、それを「隙間」のように感じられてしまうかもしれませんが、じきに馴染むことでしょう。
この世には「余白」が美しく見せている事柄が多くございます。是非とも注意深くしてご覧くださいませ。
ロゴマーク、お洋服、美しい本の装丁、街の地図。そのほか、草木や花、動物などの自然にもございます。
お嬢様、旦那様の暮らし、働き、その他の場面で、綺麗なものが必要になったとき、お役に立てば幸いです。
さて、きょうも執事の館・準備委員会の広報係、松原(まつばら)より、手短に近況をご報告いたします。
そういえば、つど差し上げるお便りの行末を揃えているのも、先述した「余白」の効果を狙っております。
スマートフォンなどでは体感を得にくいかもしれませんが、少しでも読みやすくなればとねがう次第です。
▼ #名古屋の仮住まい 家事係として新たに浄心(じょうしん)が加わりました。お坊様ではありません。
▼ #名古屋の仮住まい 修理中にございました LS460 の作業が完了。近日中に、戻る見通しにございます。
▼ #名古屋の仮住まい 介添係の矢田(やだ)は新しいテーブルクロスを検討。試作品を手配いたします。
▼ 執事の館・準備委員会は、第3の製菓係として愛知県蟹江町の職人と折衝中。さらに何故か法務係が。
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▼ #名古屋の仮住まい 家事係として新たに浄心(じょうしん)が加わりました。お坊様ではありません。
過去にも触れましたように、この1月から #名古屋の仮住まい の家事係として「浄心(じょうしん)」が
新たに加わり、すでにおなじ家事係の東山(ひがしやま)から、飲み物、盛り付けの手ほどきを受けます。
歳は若くございますけれども、過去の職歴も手伝ってか、飲み込みが早いとの評価が報告されております。
既存いたします家事係の歌里(うたさと)は、ドアマンとしての気遣いがよく、紙細工はご存知の通りに。
このところ家事係と給仕係を横断します滝川(たきかわ)の成長も目覚ましく、たいへん頼りになります。
また東山がつくるドリンクは申し分なく、お申し付けの品の影響か「ゆず茶」のご用命が多いとのこと…!
若い世代も、老いた世代もいる #名古屋の仮住まい にて、お嬢様、旦那様のご帰宅を心からお待ちします。
近ごろ新しく「執事の館」を知られる主も多くて、まことに嬉しく思う次第です。お連れでの帰宅もぜひ!
https://www.butlers-house.net/reservation
(ご帰宅の予告は上記URLから承ります。これには「主の手帳」を必要としますこと、ご了承ください。)
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▼ #名古屋の仮住まい 修理中にございました LS460 の作業が完了。近日中に、戻る見通しにございます。
いまよりも、まだ寒さのなかった12月中旬。#名古屋の仮住まい に置いていた送迎用のレクサス LS460 は
突如エンジンが始動しなくなり、修理を余儀なくされた次第にございます。この作業を完了したことから、
執事の館・準備委員会は近日中にアウディ A4 を撤去し、もとの LS460 に入れ替えることを予定します。
ドイツ御三家と呼ばれるアウディの乗り心地も、決して悪くございませんが、やはりトヨタ/レクサスが、
内外装ともに最高級品をめざして開発した LS シリーズの出来栄えは、年月を経ても見劣りいたしません。
堀越(ほりこし)によれば、2台を乗り比べられると、レクサスに軍配を上げられることが多いとのこと。
#名古屋の仮住まい からお出かけの際には、使用人に「送っていって」というお声をお掛けくださいませ。
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▼ #名古屋の仮住まい 介添係の矢田(やだ)は新しいテーブルクロスを検討。試作品を手配いたします。
これまでお嬢様、旦那様にお使いいただきました #名古屋の仮住まい の「白の部屋」は、その名の通りに、
白を基調とした空間。ただ全面を白に染めますと、落ち着きなくしてしまう恐れがございましたことから、
青を差して白みを強調するというコーディネートに至りました。これが、お皿の選定にも影響をした次第。
いま介添係の矢田(やだ)は、同じく白壁(しらかべ)と共に、新しいテーブルクロスの検討を致します。
大きくなったテーブルに合わせた寸法で、これまでより少しゴールドに近づけようという試みであるとか。
ちょうど、出入り口のカーテンや、チェアの座面に用いられる布地にちかい色合い。試作を急ぐ次第です。
もし、ご興味がおありでしたならば、#名古屋の仮住まい のご帰宅に際して、介添係にご用命をください。
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▼ 執事の館・準備委員会は、第3の製菓係として愛知県蟹江町の職人と折衝中。さらに何故か法務係が。
昨年暮れより、私たち執事の館・準備委員会は、既存します製菓係の拡張をすることを命題にいたします。
創業期に活躍いたしました製菓係の黒川(くろかわ)はそのままに、愛知県常滑市の珈琲クーヘンの職人、
さらに、愛知県蟹江町に工房を構える職人との折衝をしているところ。すでに幾つかの試作品がこちらに。
得意とするお菓子、許容できるキャパシティ、それらが微妙に異なる職人らと協業を進めることによって、
1年を通して、様々なお菓子をお嬢様、旦那様にお届けできれば幸いに存じます。そのサポートも欠かさず。
その状況下、別件で打ち合わせておりました法務係の千種(ちぐさ)が、「お菓子を作らせてほしい」と、
わたくし松原に打診してまいりました。過去、パティシエとして働いた経験があるのは存じておりますが、
まさか、このような展開になるとは思わず…お嬢様、旦那様、この件については、どうお考えになりますか?
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ところでお嬢様、旦那様、近ごろドレスアップなさる方をお見かけになりませんでしたか?成人式なら和装、
結婚式なら洋装をして歩かれることが多いかと存じます。あの楽しげな雰囲気は、微笑ましく思えますね。
実はこれも「余白」をもとに考えますと、着飾った姿が映える空間があって成り立つ装い、とも申せます。
あとは手元のスケジュール帳も同様に。予定で埋まっていないと不安を覚えるのは必然のことと存じます。
それらの予定と予定の間に「余白」があるからこそ、私たちは何かと折り合いをつけられるとも申せます。
何もない場所、何もない状態、そして何もない時間を過ごされることを恐れる必要は、一切ございません。
ひとの心についてはどうでしょう。私たちは、つい幸福や苦悩、そのものについて考えがちですけれども、
その余白を大きく取れば、幸福はもっと大きく、苦悩はもっと小さく、考えられるのではないでしょうか。
もしかすると、その姿勢が大局を見る、俯瞰する、ほんとうの意味で落ち着きを得る手法かもしれません。
豊かさとは、決して立派なものを沢山抱えることではないこと、お嬢様、旦那様もよくよくご存知でしょう。
しかし、どうすれば幸せになるか、苦しまずに済むかは、どれだけ親切なひとでも教えてくださりません。
そのとき「余白」を思い出していただければ幸甚。心のA4用紙、一杯に印字していらっしゃいませんか。
何から手をつければよいか分からないときは、スマートフォンに並ぶアイコンを整理なさったり、或いは、
かばん、ポーチの中身を整えられるのも結構ですし、タスクの一覧を作り直されるのも結構かと存じます。
けっきょく、身も心も整理整頓をしておくことが、この世の中を生きやすくなるコツなのかもしれません。
私たち執事の館・準備委員会は、お嬢様、旦那様の「余白」をもたらす存在でありたい、と考えております。
美味しいお菓子もございます。立派な家具もございますし、誠実な使用人もおります。しかし、それらは、
帰宅前から、帰宅後にかけてお嬢様、旦那様の余白を足して、いっそう魅力を増すためにしか存在しません。
この世の中の主役は、あくまでお嬢様、旦那様でいらっしゃいます。それにお仕えするのが、私たち使用人。
心に「余白」を作られます折には、何なりとご用命を賜れれば幸いに存じます。精一杯のお仕えをします。
この週末は全国的な冷え込みが話題になりました。そちら、ご別宅の冷え込みは如何でございましょうか。
暖房に頼られるのも結構ですが、重ね着の余白で体温を保つのも有効かと。羽織るものをお持ちしますね。
名古屋市千種区、吹上のアンティーク・マーケット最上階。カフェ Le Jardin (ル・ジャルダン)にて。
http://www.antiquemarket.co.jp/7floor.html
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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このお手紙を初めてお受け取りになる主には、事前の説明もなく、唐突なものに映ったかと思います。
何卒、お許しください…この機会に、私たち執事の館・準備委員会のあゆみをご覧頂けますと幸いです。
私たちが活動をはじめて4年が経過し、バックナンバーは400を超えました。お時間のあるときに…。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
(過去の号から遡って御覧になることをお勧めしております。)
【 #執事の館 】 #初めてのお嬢様と旦那様にお伝えしたい事柄 【第6版】
http://togetter.com/li/1034138
ご帰宅の予告は「主の手帳」から承ります。「仮の手帳」は随時差し替えをいたします。
クレジットカード決済、コンビニ決済ですと、即時の対応が可能となりますので、ご参考までに…。
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