第1035号:くすんだピンク色とチョコ色のキッチン。
このお便りは、40453 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、先ほどまで、白い壁の空間にいらっしゃいませんでしたか?わりあい、白い塗装や壁紙を
施された空間は日常に多くございまして、とくに日本ではお住まいもお車も、白色が好まれるというお話、
どこかで耳になさったことがあろうかと存じます。白色は美しく、清潔感があって、上品でございますね。
このところ執事の館・準備委員会がお嬢様、旦那様のため、熱心に準備を進めております「名古屋の本宅」、
館内にございます10の部屋のうち、「住み込みの使用人のお部屋」を除いてみますと、お嬢様、旦那様の
お目にかかれます「白い壁の空間」は、唯一「白の部屋」のみ。他の部屋、階に白色の壁はございません。
(強いていえば、洗面所の「青の部屋」の飾りに「白の部屋」と同じ白を採用して、統一しております。)
「赤の広間」の壁、天井が仕上がったときに、建築係の春里(はるさと)が申しました。彼らは年を通し、
数十もの美しい住宅を仕上げておりますけれども、赤の壁、緑の壁を実現しても、天井まで染めることは
極めて稀、というより記憶にないのだそうです。白、あるいは白っぽい色を添えるのが普通、と述べます。
9年前の「名古屋の仮住まい」、今年の「名古屋の本宅」、この色使いを検討するとき、建築係の梅森や、
調達係の守山などの間で議論されましたのが「店ではなく家なのだとしたら、白を多用するのがしぜん」
という意見と、「お嬢様、旦那様のための特別な空間、明らかな色に染めるべき」という意見でございます。
これは本当に難しい問題でございまして、外壁についても、内装についても、立派に豪華に仕上げますと、
よい表現を選べば「非日常」ですが、そこからは「自宅のような感覚」が遠ざかります。たとえばホテル、
あるいはアトラクション。結局、お嬢様、旦那様のお気に召すのが一番ですが、たびたび葛藤いたしました。
さて、仕上がった順に「緑の部屋」、「赤の広間」、「白の部屋」、「青の部屋」、そして「黒の部屋」。
それ以外にも、「カップの収納庫」や「タオルの収納庫」などに、素敵な壁紙を選ぶなどして参りました。
ここまで進みまして、ふと私たち執事の館・準備委員会が、2階のキッチンの仕上げが気になったのです。
2階「赤の広間」のカウンター形式だったキッチンは、保健センターの指導で壁を建て、扉を設けました。
その手前は濃赤色に染めておりますが、キッチンの中は、もとの木目と柔らかな白のまま、だったのです。
やはり「名古屋の本宅」の白い壁は、「白の部屋」だけにしとうございます。では、何色に致しましょう?
うまい職人は、服を汚さない、と塗装の職人さんが申しておりましたが、松原の黒い服には白いペンキが。
お嬢様、旦那様、指先にペンキを乗せたまま、タイプライターの上で踊らせますことをお許しくださいませ。
今日までのご報告、ご相談を差し上げます。執事の館・準備委員会の松原(まつばら)がお仕え致します。
▼配送係の清洲(きよす)と喜多山(きたやま)が、つぎの水曜日に「ガレット・デ・ロワ」などご用意。
▼建築係の監督(かんとく)は、これまでに調達を終えている照明器具を確認。来週、実装をいたします。
▼調達係の守山(もりやま)は、1階のベッド、3階のベッドの納品を遅らせ、3月に調整しております。
▼調達係の笹島(ささしま)が塗装の進捗を報告いたします。6部屋に続いて、キッチンを対象にします。
- -
▼配送係の清洲(きよす)と喜多山(きたやま)が、つぎの水曜日に「ガレット・デ・ロワ」などご用意。
朗報でございます。ことし、年明けに製菓係の若草(わかくさ)が試作し、時季が過ぎても食べたいとの
お声を頂戴しておりました「ガレット・デ・ロワ」を、あくまで来年のお届けのための試作と位置付けて、
ご用意させていただきます!また「桜(さくら)」のお品も沢山あって、そう、春の訪れを体感ください。
★ お品の一覧 … https://www.butlers-house.net/cart (箇条書きにて、確定したお品を報告します。)
「ガレット・デ・ロワ」のほか、新たにご用意を整えることになったお品を、駆け足でご紹介いたします。
余談ですが今月、配送係の段取りがさらに良くなって、この段階で発送日を添えられるようになりました。
・【カレー係/山吹】カレーセット【白いカレー・チキンハヤシライス】 3月17日 発送分
・【家事係/池下】主の晩酌〜1番目の夜〜(池下) 3月22日 発送分
・【製菓係/金城】愛知県名古屋市のローズサブレ 4月10日 発送分
・【製菓係/金城】愛知県名古屋市のローズサブレ 4月14日 発送分
・【製菓係/若草】愛知県名古屋市の桜クーヘン 3月31日 発送分
・【製菓係/若草】愛知県名古屋市のガレット・デ・ロワ 3月17日 発送分
・【製菓係/若草】愛知県名古屋市のガレット・デ・ロワ 4月14日 発送分
このほか、瀬木(せぎ)が「名古屋の拠点」のキッチンをお借りして実現する「酒粕のガトーショコラ」、
3人目の燻製係による「食べやすいベーコン」。とある変更を施しましたが言及はしない「拠点の秘密」、
池下が「牛テールの煮込み」を。星崎が「アップルシナモンロール」、千成から「カヌレ(お菓子)」が!
おそらく、これらのお品をお届けする時期には「名古屋の本宅」のリハーサルをしていることと存じます。
私たち使用人は「ご帰宅なさいます主のため」に、お嬢様、旦那様と同じように札をかけ、到着を待ちます。
「名古屋の本宅」のお品も「お住まいのご別宅」のお品も、同じものでございます。ぜひご用命ください。
- -
▼建築係の監督(かんとく)は、これまでに調達を終えている照明器具を確認。来週、実装をいたします。
お嬢様、旦那様、以前にご報告を差し上げました「名古屋の本宅」のスケジュールは、今のところ予定通り。
むしろ研磨を担っておりました職人さんが、仕事を早く終わらせまして、空白ができてしまったほどです。
今日は、壁紙の職人さんが、北側のドア、窓に「くもりフィルム」を施工。黒の部屋にも遮光のフィルム。
また来週には、電気の職人さんが入られる予定でして、このとき、ガレのシャンデリアを含む照明器具の
大半を取り付ける予定となっております。本来であればスイッチ、コンセントプレートも同時にしますが、
この手のお品は納期が長く、日を改めて装着をする見通しです。少しずつ、完成が近づきつつございます。
- -
▼調達係の守山(もりやま)は、1階のベッド、3階のベッドの納品を遅らせ、3月に調整しております。
しかしながら、当初は1月の半ばに完成を予定していた「名古屋の本宅」で、1階の住み込みの使用人の
お部屋と、3階のお嬢様、旦那様のお部屋に置く予定だったベッドは、すでに港の倉庫に届いてございます。
あとは搬入するだけ、ですが、先述のとおり工事が長引いておりますことから、延期をお願い致しました。
どちらのベッドの商社も、このところ予定が埋まりやすく困っていたとのことで、助かりますと申します。
「名古屋の本宅」が仕上がり、養生シートなどが無くなった段階で、改めて搬入のお願いをして参ります。
その頃、「名古屋の拠点(きょてん)」の1階、倉庫にある家具、備品、食器などの引越も段取りします。
- -
▼調達係の笹島(ささしま)が塗装の進捗を報告いたします。6部屋に続いて、キッチンを対象にします。
お部屋の数だけで10ございます「名古屋の本宅」。資金の調達方法の都合あって、そのうち半分ほどは、
「住み込みの使用人のお部屋」とする事情がございます。この領域は、ほぼお嬢様、旦那様のお目に触れず、
穏やかにすることから、調達係、広報係などが望んで、塗装などリフォームと呼ばれる工事をいたします。
3階建て、南の部屋と北の部屋がそれぞれに存在して、分かりづらいかと存じますので、整理しましょう。
・1階/南の部屋(リビングとキッチン)…壁の塗装を完了。キッチンの天板を完了。あとは、床と天井。
・1階/北の部屋(寝室とお手洗い)…壁と、天井の塗装を完了。床のフロアタイル、職人さん待ちです。
・2階/東の部屋(用途は伏せさせてくださいませ)…大理石のフロアタイルを完了。いま壁を下塗り中。
・2階/北の部屋(用途は伏せさせてくださいませ)…フロアタイルは同上。一時的な置き場であります。
・3階/南の部屋(使用人の個室)…壁、天井、床、全て完了。カーテンの位置を実験中。笹島の作業場。
・3階/北の部屋(使用人の個室と倉庫)…壁、天井を完了。倉庫のフロアタイルは後日。一番温い部屋。
・2階/ピンク色の厨房(キッチン)…笹島が天板をラッピング。壁面と装飾の配色を検討しております。
今から申し上げますことは、おそらく過去にも言及したことがないかと存じますが、住み込みの使用人の
お部屋は、私たち執事の館・準備委員会が、とある条件を満たすと、お嬢様、旦那様にもお使いいただける
お部屋となります。したがって気を抜くことなく、丁寧に美しく仕上げてまいります。またご報告します。
- -
建築係が仕上げる「赤の広間」に対して、「キッチン」は調達係、造園係が担当いたします。この配色を
検討するにあたっては、2階に用いられる濃赤色、茶色、金色の流れを組んで、品よく仕上げたいのです。
お便りで話題にするのは初めてかもしれませんが「橙の部屋」と「黄の部屋」は、既に存在しますから…。
(「橙の部屋」は2階の洗面所とシャワールーム、「黄の部屋」は2階お手洗いの仕上げでございます。)
また、先々週に調達係の笹島(ささしま)が「キッチン」のベージュ色の天板に施した、黒いフィルムの
成果が美しゅうございますので、黒色に合わせるダークレッドを模索しましたが、造園係が愛用をします
カインズさんの「ホワイティカラーズ」には良い色がなく…代わりに、くすんだピンクを見つけたのです。
「アンティークローズ」という名称にございますのは、店頭にはなく、インターネットだけの特別な扱い。
これは「住み込みの使用人のお部屋」に採用した「スチール」も同じく、お取り寄せが前提でございます。
くすんだピンクに、茶色みのグレイ。そして天板や家電などをブラックで揃えましたら、如何でしょうか?
▽赤の繋がりで、ピンクを検討!しかし「ピンクの部屋」の名には躊躇いが…!
https://twitter.com/butlers_house/status/1626550283781431296
白は白、黒は黒、という、すこし極端ともいえる配色をする「名古屋の本宅」で、中間色の組み合わせは、
少し珍しく、ぜひお嬢様、旦那様の「主の実績」にて、いつかご覧いただきたいと存じます。しかし問題は、
ここを何の部屋と呼ぶか。「ピンクの部屋」などの表現には躊躇いがございまして、みな葛藤しています。
順当にすると「桃の部屋」や「桜の部屋」ではないかと存じます。まことに正しゅうございます。しかし、
私たち執事の館・準備委員会が、10年前にお屋敷の構想をしたとき、当時の主(あるじ)から、色ごと
お部屋を置いて欲しいと申されまして候補にした「白」「赤」「緑」「黒」には、共通点があったのです。
お嬢様、旦那様、私たち執事の館・準備委員会は「色の名前」に2通りがあると考えております。ひとつは
白や赤など「色そのものの名前」で、もうひとつは橙や桜などの「花や動物、物体などの名前」なのです。
お察しになりましたでしょうか。後者は、色ではなく、その対象のイメージがなされる傾向にございます。
同じピンクであっても「桃色」と「桜色」では、想像の幅も、反応の速さも異なるのです。私たちは日頃、
これらを無自覚に使い分けていますが、執事の館・準備委員会はお色目の表現ひとつ、丁重に扱いたいと
考えております。「桃」ほど鮮やかではなく、「桜」ほど白くもなく、かといって「薄柿」では難しくて。
こういうときは塗ってみてから考えましょう。くすんだピンク色とチョコ色のキッチン、お嬢様、旦那様に
ご覧いただいて、浮かんだお色目の名前をお聞かせください。そのついで、つまみ食いは…ええと…その。
いまふと思いつきました。薔薇の厨房。白金の部屋、濃紺の部屋。裏側のお部屋は2文字で如何でしょう?
▽「主の実績とお仕えのリスト」
https://twitter.com/butlers_house/status/1625760655730184192
追伸:このお便り、事前に目を通しました介添係の矢田(やだ)の言葉をすこし引用させていただきます。
「文を読み進めるうちに、あれもしなくちゃ、これもしなくちゃと、あまりのんびりしてはいられないと、
介添係として思った次第です。そろそろ、お引越しの事も検討しなければ…。改めてご報告いたします。」
黄色。あるいは卵色。お嬢様、旦那様しか注文できない「卵焼き」。名古屋市中区、大須の PG Cafe にて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
- -
私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
(ただ返信はお約束できかねますこと、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887